呪言 (ページ7) - 小説/夢小説

今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:114,834 hit

第72話ページ7

・

緑谷が飛び出す。

轟は母との事を思い出しながら補助を出した。

飯田、兄貴がやられた後のお前が気になった。

恨みつらみで動く人間の顔ならよく知ってたから。

そういう顔した人間の視野が、どれだけ狭まってしまうのかも知っていたから。

あの日、今までの事を⋯⋯。

自分の今の事を全部話した。

母は泣いて謝り、驚く程あっさりと笑って許してくれた。

俺が何にも囚われず突き進むことが、幸せであり救いになると言ってくれた。

以前のままの俺だったら、職場体験で親父の事務所を選ぶなんてことは絶対なかった。

許した訳じゃないし、許す気もない。

ただ、奴がNo.2と言われている事実を、この目と体で体験し、受け入れるためだった。

どんだけクズでも、No.2と言われるだけの判断力と勘の良さは、認めざるを得なかった。

簡単な事だったんだ全部⋯！

簡単な事なのに見えてなかった！

“君の！力じゃないか！”

“なりたいと思って来たんでしょ？雄英に。
良いと思うよ。なりたい自分に、なって良いと思う”

たった一言⋯その一言が⋯⋯！

緑谷の足がヒーロー殺しによって斬られる。

さっきまでと動きが全然違う。

轟が炎でヒーロー殺しと緑谷との間に壁を作る。

A「 “ぶっ飛べ” ！」

そしてそれと同時に調月が個性を使う事で更に距離を取らせる。

ヒーロー殺しは初めて見る調月の個性に「良い」と零した。

飯田「やめてくれ⋯⋯もう⋯僕は⋯⋯」

轟「やめて欲しけりゃ立て！
俺がお前に言える一言、
────なりてえもんちゃんと見ろ!!!!」

緑谷の血を舐め緑谷の動きを止めたヒーロー殺しは轟に切りかかる。

轟はそれを個性を駆使して防ぎ飯田に叫んだ。

調月は飯田を見て思う。

轟も、変わった。

緑谷のせいで、変わった。

飯田も、変わる。

───凄いなぁ、緑谷。