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え、今の声誰？
照さん？翔太さん？
いや、もう少し近い場所から聞こえた。
「...さっきから黙って聞いてりゃ、」
猪狩？龍我くん？
ポカンと口を開けている2人、こりゃ違う。
「...ふざけたことばっか、」
じゃあ大光くん？大昇くん？
2人は私と目が合うと、ぶんぶんと首を振った。
「ぬかしてんじゃねーよ！！」
へ、マジ？！
Aと私の前に、龍斗くんが仁王立ちしていた。
「コイツが仕組んだって？んなことあるわけないだろ！！ついさっきまで部屋に引きこもってて無理矢理兄さんに担がれて来たんだからな、俺たちだって久しぶりに会って、あまりにも見た目変わってて、人って悲しみがピークに達するとこんなに老け込むんだって...辛かっただろうな、恋心を利用されて生活も一変させられて知らずうちにミスキャンパスから男を奪った泥棒猫になってて、その挙句その大好きな人に裏切られたんだからな！！」
「...は？何1人で熱くなってんの(笑)。」
瑞稀さんが嘲笑う。
龍斗くんはさらに詰め寄る。
「熱くなるに決まってんだろ！！大体なぁ、お前がドロボーだってんの！」
「は、どういう意味？」
「人のオンナを誘惑して弄んだのはアンタだろ！！！」
...龍斗くんっっ！！
イエス！！
やった、ついに...ついに、アナタ、やりました！！
それも、こんな公衆の面前で...
静まり返る店内。
男になった龍斗くんは、いつもの何倍も逞しく、凛々しく見えた。
仲間たちも、その変わりぶりに驚いている。
特に、実の兄と義理の兄があ然としているのが少し笑える。
「え、じゃあ瑞稀さんが龍斗から松村さんを？」
「瑞稀さんが二股かけたんだ？」
サークルメンバーのヒソヒソ話は、だんだんと大きくなっていく。
黙り込む瑞稀さんの代わりに、橋本さんが吠える。
「おい龍斗！！勝手なこと言ってんじゃねーよ！！」
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
