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「あれ、まだいたの？」
夕暮れのフリースペースにて。
「あ、うん...龍斗くんこそ。」
「俺は1度帰ったんだけど、IDカード忘れてて取りに来た。」
「なんでそんな大事なモノ忘れるのよ！紛失したら大変じゃん！！」
「ごめんなさい！ついうっかり...ねぇ、座ってもいい？」
「どうぞ(笑)。あ、実家から送ってきた胡麻団子あるんだけど食べる？」
「うん！忘れ物してよかった(笑)。」
龍斗くんが自販機で烏龍茶を買ってきてくれ、一緒に胡麻団子を食べる。
「こんな時間まで勉強か...やっぱり優等生は違うね。」
「いやいやあまりにも授業ノートが汚すぎたんで...ま、こんなものか。はい、ちょっとこれ持ってて。」
「え、何するの？」
胡麻団子とお茶を持たされ、きょとんとする龍斗くん。
私はノートを広げ、スマホで1ページづつ撮っていく。
「...もしかして、」
「うん...まだ既読ついたことないんだけどね。」
こうやってAにノートを送るのが、私の日常になりつつあった。
「いつか絶対見て感動するよ、アイツ。」
「かな？余計なお世話だって怒るかも(笑)。」
すっかり日が暮れたころ、大学を出る。
「よかったらウチに夕ご飯食べにくる？今日はカレーらしい。」
「え、いいの？...あーでも今日はダメ！高校時代の部活ウェアで来ちゃってるから。」
「...いつも思うんだけど、ウチに来る時確実にオシャレしてるよね？」
「え？なにか勘違いしてない？あの姿が本来の私ですから！」
お互いに顔を見合わせたあと、ぷッと吹き出し、そのまま爆笑する。
「いやー久しぶりだよこんなに笑ったの。」
「私もだ、あーお腹痛い。」
「...アイツも少しは笑えるようになったかなぁ。」
落ち着いたころ、龍斗くんがボソッと言った。
「...そうなってて欲しい...それで早く一緒にバカ笑いしたい。」
「...だね。」
「龍斗くん、」
「ん？」
「やっぱり...私やるわ。」
「え、何を？」
「このままじゃいくらなんでも悔しすぎる！Aも、北斗さんも、私も、きっと猪狩も龍我くんも！」
「森口さん...」
「それから...龍斗くんも、だよね？誰よりも悔しいはずだよね？」
「...」
「私、考えるよ。瑞稀さんたちを成敗する方法。」
「成敗って...また過激な、」
「だから協力して！一緒にAを助けて！！」
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
