66 ページ18
その夜、私の決意をグループLINEに送る。
猪狩も龍我くんも快諾してくれ、協力する!と力強い言葉。
そして猪狩からLINEが。
"昔の仲間が、松村の話を聞いて自分たちも、と言ってきた。グループに入れてもいいか?"
ありがたい話だ。
即お願いします!と返信。
数分後、3人が追加された。
佐々木大光くん、IWAMOTO’Sの名ドラマーでAにとっては音楽の師匠。
将来は音楽関係の仕事に就きたいらしく、県外の専門学校に通っている。
岩崎大昇くん、IWAMOTO’Sのボーカルにてリーダー(言い出しっぺだから)。
イケメンで性格も良く勉強もスポーツも出来る人気者で、Aも熱狂的ファンの1人だったらしい。
内村リホちゃん、そんな大昇くんの彼女。可愛くて高校時代は男子生徒のマドンナ的存在。
しかし、ウォータークーラーが故障しジェット噴水状態になり、パニックに陥ったAを偶然通りかかったリホちゃんが助けて以来、彼氏すら知らない間に密かに親交を深めてきていたらしい。
みんなAのために何かしたい!と集まってくれた。
こんなに心配してくれる仲間がいて、Aは幸せ者だ。
...いや、違う。
大学に入って、誰も知り合いがいなくて、自覚があるくらい変人の私に初めて声をかけてくれたのはAだった。
屈託のない笑顔で、友達になろう!と言ってくれた。
トンチキな行動に呆れたり、ちょいちょい迷惑もかけられたりケンカもしたりするけど、
Aといると、楽しい。
私を幸せな気持ちにしてくれているのはAの方だ。
みんなも、同じ気持ちのはず。
これでメンツは揃った。
あとは、筋書きが必要だ。
...お願いします、私にいいアイデアを与えて下さい。
あいにく本物が見えないため、私は近所の銭湯にて壁に描かれた富士山をじっと見つめている。
18人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Momanao | 作成日時:2021年1月4日 1時