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Aが姿を消してほどなく、学内にはライブのポスターが張り出された。
「え、このライブハウスでやるの？」
「しかもワンマンだよ！」
「すげぇな、アイツら...」
前の人が立ち去ったあと、にっくきポスターを眺める。
「うぬぬぬ...こんなもの、」
破り捨ててやろうと手を伸ばす...が、
「あ！暗い！何も見えない！！」
「はいはい嫌なものは見えなくていいの！」
突然目を塞がれ、方向転換させられると視界が明るくなる。
「...龍我くん。」
嫌なものを見たあとの美少年は、また格別だ。
「久しぶり！元気にしてた？」
「...どうかな、何とか生活してるって感じ。」
「そりゃそうだよね。無神経なこと言ってごめんね。」
「でも龍我くんに会えたから元気出た！」
「そう？ならよかった(笑)。ほら、行くよ。」
2人で部室に向かうと、猪狩と龍斗くんがすでに来ていた。
「おす！」
「おつかれさん。」
今日は月に一度のミーティング。
密度の高い部屋の中、4人で縮こまって座る。
「...む、」
「え、何？」
龍斗くんの後ろに貼ってあるポスターを睨む。
「そりゃ部室には貼るだろーよ、サークルが全面協力してるんだからさ。」
「人1人潰しといて自分たちはのうのうと夢叶えてんじゃないわよっ！！」
猪狩に突然口を塞がれる。
「おつー。」
「あ、橋本さん...お疲れ様です。」
ふがふが言っている私を隠すように、3人が挨拶する。
「まだ君たちには渡してなかったよね...はい、チケット。」
「え、俺たちに？」
「そう。ノルマとしてサークルのみんなには買ってもらってんのよ。1枚3000円だから。」
そういうとチケットを配っていく橋本さん。
「あ、それから...誰だっけ、いつもつるんでる女子...松村さん、だっけ？その子の分も、」
...プッチーン。
(ざけんなぁー！！！)
めいいっぱい叫んで立ち上がろうとするが、猪狩にガッチリ押さえつけられていて変なうめき声にしかなっていないはずだ。
「あ...はい。預かっておきます。」
「よろしくね龍斗。じゃ！」
ヘラっと笑い、橋本さんは去って行った。
ふーっとため息をつく龍斗くんと龍我くん。
それから...
「...た痛い痛い痛いー！！！モリコ！！手！俺の手噛んでるから！！」
猪狩が悲鳴を上げた。
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作者名：Momanao | 作成日時：2021年1月4日 1時
