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(典子Side)
とある休日の昼下がり。
初めてのカフェに、恐る恐る入る。
「あ、こっち。」
奥のテーブルで手を振るのは、私の心の恋人、愛しの照さん。
「ごめんね急に呼び出して。」
今日はちょっとワルっぽいGジャン姿が様になり過ぎて、早速シビレている。
「いえ...それよりどういった、」
「あ、うん、まぁ座って?」
席につき、カフェオレとメロンソーダを頼むと、照さんが私を見た。
「なんか、あった?」
「へ、」
「いや、最近全然うちにも来てくれなくなったし、龍斗に最近森口さんが冷たいって聞いたから...龍斗とケンカでもしたの?」
「あ、それは...」
確かに龍斗くんには怒っている。
Aをモノにするチャンスをお膳立てしたというのに、進展なく帰ってきたからだ。
優しいのかもしれないけど、正直男らしさにかけるってーの!!
という思いが多分、行動に現れてしまっているのだろう。
「いえ、そんなことより...照さんには迷惑ばかりかけてしまって申し訳なくて、どんな顔して会えばいいのか困ってしまって...」
「迷惑?」
「はい、私が言い出したあの件で...結局大失敗しましたし。」
「え...そんなこと、気にして?」
「はい...そんなこと、ばかり。」
照さんはぷっと吹き出し、楽しそうに笑い出した。
「あの...」
「あーごめんごめん(笑)。そんなの全然気にしてないから。」
「え、そう、なんですか...?」
「もちろん(笑)。翔太くんとも話してたんだよ、あれだけの計画をまとめる森口さんはすごいって。絶対将来デキる女の人になるって。」
「デキる...とは?」
「あー、男性とも肩を並べて仕事ができる、カッコイイ女性ってこと。」
「それは、褒め言葉ですか?」
「最上級の(笑)。翔太くん自分の会社に欲しいって言ってたくらい。」
楽しそうに笑ってカフェオレを飲む照さんに、思い切って聞いてみる。
「あの、照さん的には...デキる女の人ってどう思われてますか?」
「え、俺?純粋に素敵だなって思うけど。」
「素敵...ってことは、好きなタイプってことでよろしいでしょうか...?」
「あーその人によるけど...そうなることもあるかな。」
デキる、カッコイイ、素敵、好き...
これは...
「最終確認ですが...好きになる人の年齢層は?」
「ん?好きになればあまり気にしないかな。」
...イケる?
「あの、私ずっと...」
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作者名:Momanao | 作成日時:2021年1月4日 1時