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ラーメン屋さんを出て、車に乗り込む。
「さ、Aさん。これからどうしますか？」
私は食べながらずっと考えていたことを、伝える。
「あのですね、帰って、伊野尾さんと時間を気にせずのんびりしたいです。」
「へ、帰るの？そんなことで、いいの？」
「はい。予定も決めずに、何も考えずにぼーっとして、ご飯食べたくなったら食べて、テレビ見て、眠くなったら寝て...」
「本当に、それでいいの？」
「うん。それが、いいの。」
「了解(笑)。」
不思議そうな顔で私の話を聞いていた伊野尾さんが、にっこり笑う。
「じゃ、帰りましょ？あ、途中でDVD借りて帰ってもいいですか？」
「うん。何か観たいのあるの？」
「それも、一緒に選びたいです。」
2人であーだこーだ言いながらDVDを借り、部屋に戻る。
「え、まだ食べるの？」
「はい。映画観るのにポップコーンはマストでしょ(笑)。」
呆れ顔の伊野尾さんの手を引っ張り、ソファーに座る。
今日は、金曜日。
時間は、もう22時を過ぎている。
いつもなら、寂しさを押し殺している時間。
今夜は、伊野尾さんがそばにいてくれる。
一緒に、笑ってくれている。
"じゃあね"って帰らずに、"おやすみ"って、私を抱いて朝まで眠ってくれる。
期間限定だけど、たった3日間だけど、
伊野尾さんと過ごせる、大切な時間。
忘れないでおこう。
出張疲れの上に、映画を2本観るのに付き合った伊野尾さんと、はしゃぎ疲れた私は翌日、結局お昼過ぎまで眠ってしまっていた。
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作者名：Momanao | 作成日時：2019年9月8日 23時
