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私の母親は、私が10歳を迎えた頃癌が原因で死去。
取り残されたのは私と弟の義彦、そして暴力癖が絶えない親父だけ。
父親は無職で仕事に就かず、毎日の様に酒を飲み続けていた。
機嫌が悪い時は私や義彦に容赦無く暴力を振るい、勝手に自己満足。
屑野郎な親父の息の根を止めてやろうかと本気で思った。
弟の義彦は毎日親父に怯え、何時も私の背後に隠れていた。
これ以上家に居続けるのは危険過ぎると感じた私は、
唯一救いの神様的存在である祖母に連絡した。
全部事情を説明して祖母の家に匿って貰う予定だったけど...
もし祖母の家に親父が来たら、なんて事を考えると流石に怖過ぎて。
取り敢えず弟を擁護施設に預ける事に決めた。
擁護施設に預ければ、流石の親父も場所を特定出来ないはず。
なんて事を考えていたにも関わらず、
現在、祖母の家に親父が来ている。
「義彦が突然施設から逃げ出すもんだから父ちゃん吃驚したわ。
30分前に公園で義彦を見掛けてな?声掛けた瞬間俺を見て怯えてた訳。
その後彼奴..父親を反抗的な目で睨んできやがった。
流石に鬱陶しいから硬い石で何度も殴ってやったよ。
結局動かなくなって、話し掛けても何度蹴っても無反応。
要は簡単に言うと、義彦も俺が殺しちゃったわけよ。」
『父親の癖に祖母と息子を殺すなんて神経可笑しいんじゃないの!?
だから私は親父の事なんか嫌いだったんだ!
お前みたいな屑野郎なんか、死んで地獄に堕ちればいいっ!!』
「"お前みたいな屑野郎"だと?父親に向けてその言葉は何だあぁっ!?」
親父で髪を鷲掴みされたかと思えば、おもっきり襖に投げ飛ばされた。
余りの痛さに思わず顔を顰め、私は腰を抑えながら立ち上がった。
「お前父親に対しての態度がなってねえのよ。
お前は昔から何時も俺の事を軽蔑視して、無視をする。
俺はなあ、お前のその態度が気に食わねえんだよ!」
『お前みたいな糞野郎は死んでしまえっ...!』
「父親に向けて糞野郎とは何だこの野郎お!!
糞ガキの分際が調子乗り過ぎるのも良くねえなぁ!?」
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作者名:鰻饅頭 x他4人 | 作成日時:2023年10月7日 22時