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寮母さんから貰った材料でお粥を作り終え、五条先輩の所へ持って行った。
寝息を立てて眠る五条先輩は何故か可愛くて赤ちゃんみたいな感じ。
お粥の匂いで目が覚めたのか、五条先輩が起きていた。
高熱で染まった赤い頬、潤んだ瞳、多分相当しんどいんだろうな。
お粥出来たての小鍋の蓋を開けて、スプーンで1口掬った。
『悟君、お粥出来たけど食べれそうかな。
無理そうなら机上に置いておくから食べれる時に食べてね。』
「高熱で寝込む姿を彼女に見せるとか俺情けねえ...
もしかしたら俺は今日で最強という名の異名とお別れかぁ..」
『何馬鹿な事言ってるの、悟君。
お粥を食べて高熱治して最強復活させるんでしょ。
お粥食べたらそのまま大人しく寝て下さい。』
「お前なら将来良い母親になれるかもなぁ、ははっ、..しんどい」
五条先輩がお粥を食べてる中、当然電話が掛かってきた。
スマホを確認すると祖母からの電話だった。
『悟君ごめん、祖母から電話掛かってきたから部屋出るね。
無理せず食べれる分だけ食べて、無理だったら残して良いからね。』
「...おう。」
部屋から出た後、祖母からの電話に出た。
電話越しの祖母は何故か慌てていた様な様子で、何だか胸騒ぎがした。
『ばあちゃんが突然電話掛けてくるなんてどうしたの。』
《義彦が突然施設から姿を消したみたいなのよ...!
施設長が周囲を探してくれてるみたいだけど見付からなくて、
あんた、義彦から何か連絡来てないのかい!?》
『何も連絡来てないけど何で突然義彦がっ..まさか親父じゃ...』
《取り敢えず私も義彦を探してみるわ。
済まないねえ、突然電話を掛けてしま...っ!アンタ誰だいっ!?》
『ちょ、ばあちゃん!?どうしたの!ばあちゃん!?』
そこで、祖母との電話が切れてしまった。
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作者名:鰻饅頭 x他4人 | 作成日時:2023年10月7日 22時