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story30 ページ30
初めて君の存在を知ったのは
受験の日だった
席に着いて
筆記用具を出した時に気づいた
まさかのシャーペンを忘れるという
アホすぎる俺
阿部ちゃんに借りに行くことはできないし
あぁ、もう終わったなって
諦めたんだ
けどね、その時
『これ…良かったら使ってください』
そう言ってシャーペンを差し出して
くれたのが
Aちゃんだった
その後合格してから
ずっと彼女を探していた
やっと見つけた君は
大学の高嶺の花で
もう近づけない人なのかなって
でも、
また君は俺に
シャーペンを差し出してくれた
彼女は覚えているはずもなかったけど
俺にとっては
忘れられない出来事で
俺の人生を助けてくれた日
そして、俺が恋に落ちた日だったから
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