西島さんの短編集

S ページ47

「……え…ちあ…き……？」





二つの事が起きて

頭の中がぐちゃぐちゃに混ざる。




一つは


“やっと好きになったんだ”の意味が

彼の事ではないという事。




もう一つは






その“やっと好きになった”人が

中学の時何も言わず転校した【親友】だった事。







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運が悪かったのか
彼に私の声も聞こえていた。



西「あれ、Aちゃん」



千「A？Aちゃんって、」





二人とも私を見る



私今どんな顔してるんだろう。




どんな顔して二人を見てるんだろう。





千「A！！！！久しぶり！！」



「あ、久しぶり！千晃可愛さが増したね！」




空元気でその場を収めようとする

笑顔で居れてるかな



「彼氏？」


千「うん！」




「そうなんだ。こんな形で再会するなんてね。」


千「そうだ！Aも一緒にどう？」




「私は…いいよ。二人で楽しんで。またね！」





何も言葉を発さずにこっちを見る彼の視線が痛くて



その場から離れた。





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千「A、元気なかったね。」




西「あいつ、俺の事好きだから」



千「なんでも知ってるみたーい。」



西「なんでも知ってるよ。あいつの事なら」





西島先輩がそんな事言ってるなんて想像もついてなかった。

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