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13転び ページ15

情けない。年下に守って貰うなんて。
然し仕方ないと思いたい。何故ならこんな話を聞いた。

数分前

「も、戻っても大丈夫なのかな、、、」
「あー、、、覚悟はしておいた方がいいかもしれませんね。」
「覚悟?」
「怒ってた」
「、、、」

恐らくこの人だろう、明らかにオーラが違う。

「並び方は僕には分かりませんけど、、、」
「そうか。それならAと言ったか、一寸前にこい。」
「は、はい!」

恐る恐る前に出る。身長のせいでより威圧感が増す。率直に言うとすっごく怖い。

「、、、」
「、、、」

、、、?
何を待ってるんだ、、、?無言が1番困るし1番怖い。

「、、、す」

空気に耐えかねて、先に発言したのは自分だった。
精一杯息を吸って、

「済みませんでしたぁ!!」

自分が謝るのを待っていたという線を信じるしかない、、、!

「その、自分の不注意で、、、、御免なさい。」
「、、、次は気を付けろ。」

頭に触れられる。

『怒らないように怒ると言われたが、怒らずとも反省はしているようだな。』

あ、この人唯のいい人だ。
然しそれよりも、、、

「頭撫でるの辞めてもらって良いですか。」
「あっ、済まない。」

、、、絶対に子供扱いをしていた気がする。子供扱いしないで欲しいと言う意味を込めながら頭を振る。

「待て!」
「ふぁい!?」

突然の大声に変な声が出る。

「水が跳ぶ。そこに座れ。」
「は、い」

大人しく座る。途端に頭を拭かれる。

「え、は、ええ?」
「じっとしていろ、良く拭けないだろう。」
「い、いやこの位、、、」

開いていた口を閉じた。

『全く、手が掛かるな、、、然しこうやって世話を焼いていると、六蔵を思い出すな。』

声色で解る。『六蔵』と言う名前の人はもう亡くなっている。そしてその人を、どれ程大切に想っていたのかも解った。
解ってしまった。

「、、、良し、こんな物だろう。」
「あ、ありがとうございます。」
「後は服だな。少し待っていろ。」

奥へと消えていく後ろ姿に、それ以上何も言う事が出来なかった。
人一倍『そういう事』が理解出来るから?自分も似た境遇だから?其れ共、只人の不幸に同情しているだけ?
解りはしない。何故か解りたくも無かった。

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作品ジャンル:アニメ
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哀川透(プロフ) - ありがとうございます^^* 更新頑張ります! (2020年3月27日 18時) (レス) id: b64d0a9d89 (このIDを非表示/違反報告)
ななっしー - 超面白いです!更新頑張って下さい!続き楽しみにしてます! (2020年3月25日 7時) (レス) id: 653733cc4e (このIDを非表示/違反報告)
哀川透(スマホ)(プロフ) - ほわぁ、、、温かいお言葉ありがとうございます、、、頑張ります! (2019年8月12日 10時) (レス) id: 0c48593ba8 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ - 更新頑張ってください!応援してます! (2019年8月10日 20時) (レス) id: c0e757350d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:哀川透 | 作成日時:2019年8月4日 18時

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