夜兎の親戚は万事屋で楽しく生活送ってます。

第１話『氷とは冷たく悲しいもの』 ページ4

三年前






実験所では色々な悲鳴が聞こえる。
大人の声や子供の声。






其処にいる人達はボロボロの布を着て、
ろうそくもなく、光もない牢屋に入れられ、
冷たい床に座っている。






ほとんどの人が目に光はなく、怯えている



そんな中、イキイキとした表情の子供が二人



子供と言っても14才位の少女と少年


その少年の手には一つの鍵が握られていた。






そして、少年は鍵を少女に渡し、ニヤリと笑う



少年に微笑みかけるように少女も笑う






少女は牢屋についている鍵穴に鍵を嵌める。


カチッと言う音がしてギギギギッと音をたてながらゆっくりと扉は開く






そして少女と少年はアイコンタクトを取るような素振りをし、一目散に扉から出る



少年は少女を抱えて凄いスピードで走りだしながら自分が防犯カメラに写った事を確認する







その瞬間ビビビビッ！と警報音が鳴り出して一気に周囲を赤く照らす




少年はその事に対して舌打ちし、もっとスピードを上げて看板に出口と書かれている方向へと駆ける。





「いたぞー!!」






少年と少女の後ろには
刀を持ち、黒い鎧を着た数人の男達




今にも襲いかかってきそうな雰囲気だ





それを見た少女は少年の横抱きから降り、地面に手をつく




すると、
少女が手をついた所からは凄い勢いで凍って行く






「な……逃げろ！」





一人の男が叫びだした時にはもう遅く
鎧を着た男達は全員凍っていた


周囲には冷たい雰囲気が纏わり付く




それを見た少年は少女よりも人足先に駆け出し、少女も少年の後を追うように出口へと向かった

第２話『双子の喧嘩事情』→←設定２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す