#万屋へ ページ14
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俺の足は自然と、そこへ向かっていた。
「……おーおー。何だ?お前さんが来るなんて珍しいじゃねぇか。」
「何しに来たアルか税金泥棒!仕事しろヨ!」
「まあまあ神楽ちゃん落ち着いて……」
ここ、万屋に。
「お願いしやす」
いきなり頭を下げた俺に突き刺さる3人の視線。
「ちょ、沖田さん!?」
「……探してるやつがいるんでさァ。
どうしても、見つけられやせん。
どこにもいねぇ……。
手を、かしてほしい」
俺1人の力じゃ、あいつを見つけ出すのは無理だ。
頭を上げ、3人と視線を交わす。
「お前が頭下げんだから、よっぽど大事なヤツなんだろうな。
……依頼料は、ちゃんともらうぜ?」
「銀ちゃん!」
「こいつの眼見てりゃわかる、失くしちゃいけねえ大事なもん失くしちゃったんだろうよ?
お前ら仕事だ、張り切っていくぜ!」
「はい!」
「……こいつの依頼なんて虫酸が走るアル……けど、
お前のそんな顔見てたら探すしかないアルナ!」
「……助かりまさァ」
俺は女の特徴を話した。
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「ふーん、女ねぇ……お前も色恋に目覚めたってわけか」
「そんなんじゃ……ありやせん」
心の中で、多分と付け足す。
「確かに、今まで毎日のように歌舞伎町にいたのにパッタリ来なくなるなんておかしいですね」
「……何か事件に巻き込まれたとかアルカ?」
チャイナのその言葉に、ザワザワと胸騒ぎがした。
「俺が顔見知りのヤツらに特徴伝えて、見つけたら連絡してもらう。
そしてお前にもそん時は伝える。それでいいか?」
「本当、感謝しやす」
俺は万屋を出た後も、歌舞伎町でAを探し回った。
だが、やはりAはいなかった。
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みゆう - 最高! (2016年1月31日 19時) (レス) id: 7a2227ce29 (このIDを非表示/違反報告)
ハナヤ(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!これからも頑張りますね! (2015年10月12日 20時) (レス) id: 450f3666e5 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 沖田さんがかっこいいです。私11歳なのに小説好きになりました。 (2015年10月11日 9時) (レス) id: a2dbaa1432 (このIDを非表示/違反報告)
ハナヤ(プロフ) - ニーナさん» すごく嬉しいです(/ω\)これからも頑張りますね*\(^o^)/* (2015年9月28日 13時) (レス) id: 450f3666e5 (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ - 超超超〜おもしろいです!更新が待ち遠しいですっ (2015年9月28日 10時) (レス) id: b235c04110 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナヤ x他1人 | 作成日時:2015年9月27日 1時