【銀魂】ナルシスト女とドＳ男

#冷たい地面 ページ12

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目が覚めた場所は、家の玄関だった。








ひんやりとした地面。









「……」








頭がぼうっとする。






そっか、昨日散々殴られたんだった。









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起きあがろうとするが、体のいたるところが痛くて中々立てない。





壁によりかかりながら、部屋に移動して鏡を見る。








「うわ…誰これ…」









苦笑いした私の顔は所々はれていて、青黒い。




みんなに見せたら笑われるんだろうな。









…あーあ、私の可愛い顔が台無しだ。









救急箱を取り出し薬をぬって、ひどいけがの場所には包帯を巻いていく。









ここの家は地獄だ。









お母さんがほかの人と結婚して家を出て行ってから、あの人は荒れた。





酒を飲んで、フラフラと女の人の家へ出かけてはたまに帰ってくる。





私は留守番を頼まれているが、あの人は中々帰ってこないから歌舞伎町へ行っていた。









大体、あの人が帰ってくるような日は覚えているつもりだったんだけど…。





昨日は予想外すぎた。









「こんな顔じゃ、外歩けないよねー」









まるで他人事のようにポツリとつぶやくが、じわじわと涙が溜まっていく。





ああ、泣くな、泣くな！









鏡を見ながら、口角を上げる。









『あんたの笑いは下手くそでさァ。


無理して笑うんじゃねぇ。気持ち悪くて見てらんねーや』









ぼろ、と大きな粒がこぼれて畳を濡らした。









「こうでもしないと、もう笑えないんだよ総悟…！」









助けて。









そこからは、喉が張り裂けるんじゃないかっていうくらい声を出して泣いた。






涙で顔の傷が傷む。






でも、壊れてしまったかのように涙は溢れて溢れて止まらなかった。





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