声優人生

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Aとちゃんと話したのはそれから割とすぐだったりした。


スタジオの椅子に体育座りしてた。

いや、なんでって思うじゃん


ううん。こん時だろうねAを頭に刻んだの


林原めぐみ「あ、Aちゃん！おはよ！」

「めぐみさんおはよございます＾＾」


わ、、笑った？！？！


林「お菓子いる？」

「はい」


林原さんにお菓子もらってモグモグ食べる姿
シュッとしてるのにお菓子食べてるときの頬っぺめっちゃむにゅうってなってるし

やべ…俺嘉崎さんばっかり見てるし台本に集中しよ


「げ…」

内「？」


窓の外見て漏らした言葉


内「あ、雨だ…」

「…っ！」

内「ぁ、すみません。」

「いえ…」


「「…」」


会話終了。

俺も人見知りだし、Aはそれ以上に極度の人見知りで後から聞いた話だと人間嫌いだったそう。

彼女の人間嫌いの話はまた別の機会に。



「「お疲れ様でしたー」」


「はぁ…傘持ってきてないしタクシーつかまんないし、、(ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ)」


嘉崎さんずぶ濡れだ…


内「あのｯ、、」

「…っはい、、」

内「いや…ぁ」

A「おつｯ…お疲れ様でした。」

内「あ、うん。お疲れ様でした。」


ヤバイ…俺年上しかも先輩に敬語使わなかった


内「いや、あの…傘ないなーっつって」

どんな会話だよ

A「あ、私もです…」


「「…」」


またもや会話終了。


そこからなに話したんだろう…遠い記憶すぎて覚えてないんだけど

当時大学1年生のAと高校卒業した俺
2人してずぶ濡れになりながら駅まで走ったんだよね


A「も、びちょびちょ通り越してぐっちょぐちょだ」

内「俺も、、服絞れる…」


「「…www」」


A「風邪ひかないですかね、、私たち」

内「…w分からないっす」

A「これ、電車乗っちゃって大丈夫かな…」

内「いや…アウトですよね」



次の記憶もない。
どうやって帰ったかも覚えてないし、Aがちゃんと帰ったかも覚えてない

まぁこうやって結婚してるから帰れたんだろうけど


次の日のアフレコ現場でちょっと距離が縮んだと思ったのは、俺が目を合わせて挨拶できたから。Aがふわっと笑ってくれたから

そう…ちょうど窓から見える外の“スカシユリ”のような笑顔で___。

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