彼女の居ない委員会 ページ3
七「えーと、今日は裏々々山までマラソンするぞ！」
放課後。
体育委員会の面子を集めてそう言った小平太は、いけいけどんどーん！と駆け出そうとした。
それに三之助が待ったをかけた。
次「あの、A先輩は不在ですか？」
七「まだ戻ってないようだからな。……そうか、Aが居なかったら三之助の縄を代わりに誰かが持たないといけないな！じゃあ滝夜叉丸、頼んだ！」
滝「ええっ、私ですか！？」
不満そうな滝夜叉丸、さらに不満そうに滝夜叉丸を横目で見る三之助、裏々々山までマラソンと聞いて不安そうな四郎兵衛と金吾。
そして、今日はAが不参加という追い打ちが。
七(何か、複雑な気持ちになるが…………)
七「細かい事は気にするな！いけいけどんどーん！」
持ち前の前向き精神、明るさで走り出した小平太。
慌てて滝夜叉丸達も追いかけるが、その後ろ姿はどんどん小さくなっていく。
焦りからか、泣きそうな四郎兵衛と金吾。既に脇道へふらふらと逸れそうな三之助。
「と、とにかく裏々々山へ！」としか言えない滝夜叉丸。
しばらく走り続け、ようやく四人は裏々々山へたどり着いた。
いつもなら先に到着した小平太がしびれを切らして迎えに来たり、更に向こうの山まで走っているのに、今日は岩の上に胡座をかいて待っていた。
四「七松先輩も、寂しいんですか？」
七「私が寂しい？何で？」
四「だって今日は、A先輩が居ないから。」
息を整えながら、四郎兵衛が小平太へ問いかける。
質問に疑問を投げかけると、「Aが居ないから」と返ってくる。
傍からみれば可笑しな会話だが、小平太には何か腑に落ちた気がした。
七(そうか…………複雑だ複雑だ、とは思っていたがみんなが不満そうだからとか、ついて来れないからとかじゃなくてAが居なくて寂しい。つまらない。…………そういう事だったのか)
七「四郎兵衛、」
四「はい？」
七「A、早く戻ってきてくれたらいいな！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まーぶりん(プロフ) - この作品とても面白くて、何回も読ませていただいています！続き楽しみにしています！更新頑張って下さい✨ (2021年11月21日 15時) (
レス) @page15 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
obipurei(プロフ) - こまごまと。さん» 楽しみにしてます！頑張ってください！ (2020年2月26日 17時) (レス) id: 186218a2f3 (このIDを非表示/違反報告)
こまごまと。(プロフ) - obipureiさん» コメントありがとうございます。何度も書き直しをしているので更新はもう少し時間がかかりそうです。次の話も見てもらえると幸いです！ (2020年2月26日 7時) (レス) id: 63804f2e9e (このIDを非表示/違反報告)
obipurei(プロフ) - おもしろいです！もう更新はされないのですか？ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 186218a2f3 (このIDを非表示/違反報告)
空桜(プロフ) - 続き楽しみです(*´-`) (2020年2月9日 3時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こまごまと。 | 作成日時：2019年10月14日 13時
