【忍たま】あこがれ 弐

一年い組と、自分の心配 2 ページ41

さすが一年は組をまとめる学級委員長というべきか、庄左ヱ門は教室に残って自分の宿題をする傍らで同級生達の話を聞いたり宿題を手伝っていた。



『…理想の学級委員長はここに居たのか。
私、勘ちゃんに宿題の面倒みてもらった事無いよなぁ。』



隠れもせず、普通に教室を訪れたAだが、誰もそれに気付かずに「庄左ヱ門、庄左ヱ門」と話し掛けている。
その中に割って入るわけにもいかず、「どうするかなぁ」と宙を見つめた。
「はいはい、順番ね」と言いながら一人一人と目線を合わせて話していた庄左ヱ門がふとAのいる引き戸の方へ視線を向けた。



庄「あ、A先輩。」



その一声で教室に居た生徒全員の視線もAに向き、声を揃えて元気いっぱいに「A先輩、こんにちは！」と挨拶をしてくる。
思わず頬が緩み、それに応えると今度は質問責め。
それぞれが別の事を聞いてくるので「うん、うん」と返しながらも内心は「何？何て？？」と思ってしまった。



喜「蛞蝓さん触りますかぁ？」

『いや、遠慮しとく。』



……喜三太の質問だけはしっかり聞き取れ、曖昧な返事はしなかった。
兵太夫と三治郎が「からくり部屋に来てくださいよ〜！」とAの手を掴んで連れていこうとすると、金吾が止めた。



金「二人とも待ってよ、先輩は何か用事があってここに来たんだと思うよ。」

『あっ、そうだった。』

伊「忘れてたんですか！？」

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