【忍たま】あこがれ 弐

試験明けのおつかい 2 ページ32

一緒におつかいに行かないか、と他の五年生へ声をかけるも尽く断られてしまった。
寝起きが悪い兵助は、悪気はないのだろうがうんともすんとも言わずもう一度布団に潜り込んでしまった。



『…と、いうわけで外出してきます！』

秀「えぇぇ、徹夜で疲れてるのに大丈夫？気を付けて行ってきてね？」



疲れてる、というわりにはさくさくと道を進み石段の前に辿り着く。
腰に手を当て見上げると果てなく続いてるようにも見え、思わず溜息が漏れた。



『やっぱり、男装してくるんだった……』



着物の裾を気にしながら静々と登っていくと徐々に息が上がる。
「頑張れ、体育委員。普段は山をいくつも駆けてるんだ！」と自分を鼓舞しながら更に上へ上へと目指す。



『はぁ…はぁ…、着いたぁ……』

和尚「おや、どこの娘さんかと思ったら懐かしい子だ」

『お、和尚さぁん…！』

和尚「今はどこに勤めているんだったかな？」

『まだ五年生ですっ』



相変わらず人当たりの良い笑顔で出迎えてくれた和尚にほっとしたのも束の間。
Aとしては早々に文を渡して学園へ戻るつもりだったのだが。



和尚「おぉ、学園長からの文だね。今返事を書いてしまうから少し待っていなさい。」



珍しい茶請けがあるから出そうかね、という和尚にAは内心で「早く帰らせてください！」と切に願うのだった。

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