【忍たま】あこがれ 弐

最終日前夜 2 ページ13

鉢「じゃあ明日はみんな暇でいいんだな？」



学級委員長委員会で委員長代理を務める三郎がその場を仕切る。
連休が始まってからというもの、各々がそれなりに予定を入れていたので全員で出掛けられるのは最終日の明日だけになってしまった。



勘「はいはーい！俺、団子屋行きたい！しんベヱお墨付きの！」

『私も行きたい！あと、美味しいうどん屋さんもあるんだって！』

兵「はい！俺は豆腐屋行きたい！」



兵助の意見だけがさりげなく却下されたが、大まかに明日の予定が組まれていく。



雷「僕、新しい筆が欲しいな。今使ってるのが凄く広がってきたから使いにくくて…」

『私も帳簿つける用に細い筆欲しいかも。』

八「俺ももう一本くらい買っておくかな〜」

『三郎は行きたい所無いの？』



全員の意見をまとめていた三郎が話を振られると、目を瞑ってブツブツと考え始めた。



鉢「あー、女装した時の小物とか変装の小道具を新調したいかな」

勘「男五人に、男装したAっていう面子で小物屋に行きたいってこと？」

鉢「変な目で見られるだろうけど、挙動不審にならないで普通にしてれば何も言われないから大丈夫だろ。」



ようやく話がまとまり、「明日は寝坊するなよ〜」と互いに年を押し合いながらそれぞれ部屋へ戻る。

Aは男装用の装束を枕元に用意すると布団に横になる。



『…』



早く寝よう、そう思っているのになかなか睡魔が訪れない。
天井の木目をぼんやりと眺め、「ふふっ」と笑った。



『明日、楽しみだな…』

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