−2−痴情の縺れで100回死んだ女【呪術廻戦】

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そんな感じでのんびり生きていたある日のことだった。幸せというものが、いとも簡単に崩れ去っていったのは。



何度も刺された腹。殴られた頭。止まらない血。全て、目の前に立つ男にされたものだ。なんで……どうして？




「呪術師の癖に…両面宿儺と仲良くしやがって！この裏切り者が…！！」

『すく、な？』




宿儺と仲良くしちゃ駄目なの？確かに、アイツはこの世界に引き込んだ張本人の割に、呪術師として活動してなかったけど…。裏切り者…？宿儺って、もしかして呪術師じゃなくて呪詛師だった？なら、なんで私を敵である呪術師の道に引き込んだの？



とりあえず反転術式を使………えない…？男の術式が関係してるのか？駄目だ、いきなりのことで頭が混乱してる。とにかく奥にいる宿儺だけは逃がさないと─────




「………A？」




なんで、なんでこういう時だけ出てきちゃうかなぁ、宿儺は。やけに遅いなーって見に来てくれたんだろうけど。



宿儺は、地面に倒れ込む私と刃物を握りしめる男を交互に見て、何本も額に青筋を浮かび上がらせる。うわー、めっちゃ怒ってるわ。突然現れた宿儺に怯えたのか、男は小さく悲鳴を上げて逃げていった。それをすぐさま追おうとする宿儺だが、今は私が優先だと感じたのか必死に名前を呼んでくる。聞こえてるってば、そんな叫ばなくても。




「クソッ、反転術式が…！」

『ふ…珍しく必、死だ』

「喋るな！！傷口が開くだろう！」




あぁ、まだ15歳だっていうのに。短すぎる人生だったな。まだやり残したこととかたくさんあるのに。



いつになく必死な宿儺を見て、1つの考えが思いついた。私だって、まだやりたいことが色々あるのだ。何もできず終わりたくない。




『ねぇ、宿儺』

「だから喋るなと…！」

『縛り、結ぼっか』









(これが未来の自分の悩みの種になるとは、夢にも思わなかった)

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