−2−痴情の縺れで100回死んだ女【呪術廻戦】

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甚爾くんはまだ来てない…。でもここで逃がさないと、灰原くんが死ぬ未来を回避できない。時間稼ぎくらいなら何とかなる…か？




『2人とも約束通り逃げな』

「でも…っ！あれは明らかにっ」

「助っ人さんだってまだですよね！？」

『大丈夫大丈夫。隠れてるだけでもう来てるから』




嘘だけど。でも、そうでもしないとコイツら逃げないじゃん。犠牲は出来るだけ少ない方がいいでしょ。



納得してないようだが渋々逃げた彼らを見送り、呪具を構えて土地神サマと向き合う。私程度で倒せるなんて考えるな。甚爾くんが来るまで…いや、少なくとも七海と灰原くんが逃げるまでの時間は絶対稼いでみせる。



土地神サマの攻撃を避けつつ、必死で思考を巡らせた。術式を使って急所を突こうにも、呪霊の動きが速くてその前に殺されかねない。どうする…どうする…！どうすればいい…！？



突然ズキン、と左腕に痛みが走る。見ると、左腕が深々と斬りつけられていて。痛い……けど、死ぬレベルじゃない！だが当然ながら動きは鈍り、呪霊の攻撃を段々と避けづらくなっていく。



呪具も壊され両足も刺され、まさに満身創痍の状態の中、土地神サマがニヤリと笑いながら腕を振りかぶってくるのが見えた。チッ、今回の人生は上手くいったハズだったのにな…。またやり直しか…と諦めて目を閉じたその時。




「A？」




聞き慣れた声にハッと目を開けると、心配そうに覗き込む甚爾くんと目が合って。なんだよ…結局来てくれてんじゃん。



「ひでぇ怪我だな…よし、頑張って反転術式を会得しろ」と無茶な要望を突きつけられる。今までできたことなかったやつを会得しろって？しかも死の間際に？



頑張れよという感じでポンポンと頭を撫でた甚爾くんが、土地神サマに向かっていった。あぁクソ、五条くんだって死ぬ寸前に反転術式会得して覚醒してたもんな。硝子ちゃんの言ってた、ひゅーっとやってひょいっで治してやんよ…！！

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