−2−痴情の縺れで100回死んだ女【呪術廻戦】

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般若のような……いや般若も逃げ出すレベルに恐ろしい顔で出てきた傑くんと、私に腕を掴まれてる甚爾くんを見て顔を強張らせた理子ちゃん。ふむ、結局同化しなかったのか。となるとこの後は海外にでも逃がすかな〜と傑くんから顔を背けて考えていると、ガシッと肩を掴まれた。ﾋｮｪ………。




「A、今すぐソイツから離れるんだ。キミの手が汚れるだろう」

「いや汚れねーよ。取引の邪魔すんな」

「取引…？？？」




「どういうことだい？」と何故か恐怖心しか感じない笑みで聞かれ、そっと目を逸らした。ここで競馬やら宝くじやらを言えば確実に面倒なことになる。幸いここにチクりそうな人はいな……………




「あっあの！Aさんは買収するためにその人と競馬に行こうとしてました！」

『黒井さん？？？ねぇ？？？』




いました、ここに。まさかの伏兵だったわ。「あと宝くじも！！」じゃないのよ黒井さん。逃げたんじゃなかったの黒井さん。私の味方になってほしかったよ黒井さん…！



それを聞いた傑くんは当然激おこである。額に青筋が何本も浮かんでいらっしゃった。肩に置かれた手にも力がだんだん込められています。おっ落ち着け！！まずは話を聞いてくれ！！




『だっ大丈夫！さっき裏切られたばかりだから！取引は不成り』

「誰も裏切ってねぇだろうが。本当か証明するためにも、とっとと行くぞ」

『おいさっき任務続行って裏切ってたろクズめ』




傑くんの手をべりっと引き剥がすと、そのまま私の襟首を掴んでズルズル引きずっていく甚爾くん。なんなんだコイツ。




「ちょっと待ってくれるかい？取引って具体的にはどういう内容なのか教えてほしいんだが」

「知りたきゃコイツに聞きな。ま、しばらくコイツ貰うけど」

「は？？」

「あ？？」




傑くんとは思えない低い声にビクッと体を揺らす。オメェそんなドスの効いた声出せたんだな。あと今なんか声増えなかった？



クルリと振り返ると、先程甚爾くんに殺されたハズの五条くんが立っていて。あぁ、反転術式をギリギリで習得できたんだっけ。甚爾くんが「マジか」と珍しく目を見開いてる点、本当に瀕死に追い込まれてたんだろう。流石は未来の最強。でもむしろ状況が悪化した気がする。ふざけんな。

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