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数日後。やっと五条くんと予定が合った…というよりは五条くんに休みができたので、再び私達は恵くん家に突撃していた。傑くん?あぁ、今日は任務が入ってて来てないよ。めっちゃ嫌そうに任務行ってたな。
ガチャリとドアを開けて顔を明るくした恵くんに話しかけている傍らでは、その後ろにいた甚爾くんと五条くんが「「ゲッ」」とお互い顔を顰めている。オマエら仲悪すぎだろ。
気を取り直した五条くんが、「伏黒恵君だよね」と声をかけた。そこでようやく彼の存在を認識したのか、恵くんがそちらを向く。
「アンタ誰?っていうか、何その顔」
「いや、ソックリだなと」
「?」
「Aなら分かるだろこの気持ち」
『うんめっちゃ分かる』
この親子、驚くほどソックリなんだよな。共感して大きく首を縦に振っていると、「そんならオマエ、コイツらのことよろしくな。俺ら競馬行くから」と甚爾くんに襟首をガシッと掴まれた。何だコイツ。堂々と育児放棄してギャンブルすんな。
当然ながら五条くんに阻止され、渋々1人で行っている。どんだけ一緒に居たくないんだ。
遅れて顔を出した津美紀ちゃんとハイタッチしてはしゃぐ私達の隣で、五条くんが恵くんにあーだこーだと説明を始めた。禪院家がどーたらこーたらと話している。対する恵くんは極めて冷静で……というか引くほど大人びてる。何この子ホント怖い。
『五条くん時間無いんだしさっさと本題入ればいいじゃん』
「ま、そうだね。そんじゃ本題。君はどうしたい?禪院家行きたい?」
「津美紀はどうなる?そこに行けば津美紀は幸せになれるのか?それにAちゃんとも会えるのか?それ次第だ」
「後者はともかく前者はない。100%ない。それは断言できる」
『私も断言するよ。津美紀ちゃんは非術師だ。あの禪院家では絶っっ対に幸せになれない』
真面目な表情で答える五条くんと私に、ジリッ…と警戒したように恵くんが距離を取った。恵くんのその反応に「クックッ」と笑うと、彼の頭に手を乗せる。
「オッケー、後は任せなさい。でも恵君には多少無理してもらうかも。頑張ってね。
強くなってよ。僕に置いていかれないくらい」
五条くんがそう言うと、私達はクルリと背を向けて帰っていく。本当、五条くんはスゴい。いとも容易く問題を解決するなんて。
『いつもありがと』
「別に。あの子に可能性感じただけだから」
2人の間を、柔らかい風が通り過ぎていった。
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おもち食べたい(プロフ) - ごりらさん» こちらこそ、不定期更新なのに最後まで読んでくださって感謝しかありません。本当にありがとうございました! (2022年5月8日 21時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - mooさん» ありがとうございます!ループの原因は結構最初の頃から決めてたので、最高と言って頂けて嬉しいです。 (2022年5月8日 21時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
おもち食べたい(プロフ) - ルナさん» ありがとうございます!なんだかんだ言って夢主ちゃんは夏油さんの隣が1番しっくり来ますね笑 夏油さん視点のは書く気力が無かったです…申し訳ない。 (2022年5月8日 21時) (レス) id: 20bccc651c (このIDを非表示/違反報告)
ごりら(プロフ) - 完結おめでとうございます!!ループの原因がまさかの結果で最高すぎました…。毎回更新を楽しみに待っておりました!!本当に大好きな作品です。素敵すぎる作品を本当にありがとうございました!!!大好きです!! (2022年5月3日 20時) (レス) @page33 id: 0c5c330aa8 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 完結おめでとうございます!素敵で面白い作品をありがとうございます。ループの原因が最高でした。 (2022年5月2日 7時) (レス) @page33 id: 8c70df45d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち食べたい | 作成日時:2022年4月7日 18時