音柱の継子 (ページ40)

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夜、女性陣で作った夕餉を皆で囲んでいる時

「うぅ、まだまだ師範には勝てないな〜…」

通算956戦中勝ち無しのAは恨めしげに宇隨を見上げた。

雛鶴「大丈夫よ。Aちゃん確実に強くなっているわよ」

須磨「そうですよお！気配の辿り方もうまくなってます！」

まきを「ほら反省するより今はご飯を食べて！Aちゃんの退院祝いなんだから！」

「わーーん！！頂きます〜！！！！」

泣きながら口いっぱいに頬張るAを宇隨は微笑ましく見つめる。
Aがいない間、皆で囲む食卓は何かが物足りなかった。それほど、彼の中でAは大きな存在になっている。

嫁以外に守りたい、大事にしたい存在が出来たのだ。それは師匠と弟子の垣根をとっくのとうに超えている。まだまだ子供だが妙齢になったら嫁に迎えようか画策中だったり。

そんな宇隨の視線に気づいたのか

「ひふぁん、ほうひふぁんひぇふは？ふぉははふひぃふぇはひはは、ほはっへほひひへふは？」
(師範、どうしたんですか？お腹すいてないなら、貰ってもいいですか？)

宇「飲み込んでから喋れバカ」

天元のため息と須磨とまきをの笑い声が屋敷中に響いた。