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──私、種崎敦美は、目の前にいる妹に頭を抱えた。
この子は自分への好意を戯れのひとつだと認識しているようで、Aの周りにいる男性諸君が哀れに見えてくる。
特に同期の梅原くんや西山くんを筆頭にAと年齢が近しい子達が明らかにハートを投げ飛ばしているのに、Aの周りには五条悟ばりに無下限が張られているかのごとく、届かない。
初めて会った時から礼儀正しく可愛らしかったAは日に日に大人の女性へと変わりつつある。
「ん?どうしました、姉さん?」
だけど、ふわっと笑うAの笑顔は変わらないまま。
少し幼さの残る笑顔が私は好きだ。
「んーん。今日もAが可愛くて姉さんは嬉しいよ」
「やっだァ!そんなに褒めても何も出ませんよ!姉さん、お昼ご飯食べましたか?まだなら一緒に食べません?」
「いいよ、行こっか」
「やった!何食べます?ここから近いところは〜……」
この子の笑顔をこんな近くで見られるなら、まだそのままでいてもらおうかな。
いつかAが、本気で愛する人と幸せになれるよう祈りながら、彼女と一緒にお昼ご飯の場所へと向かった。
種崎「父………………頑張れ」
江口「その哀れなものを見る目やめなさい」
早見「頑張ってください!」
江口「いや、あの、え?」困惑
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作者名:アマネム | 作成日時:2023年9月11日 19時