アーニャ ページ33
「ゥァァアーーニャーー!!!」
「ちょ、そんなでかい声で呼ばないで?!」
廊下を歩いていると前方に見知った顔。
あちらも私に気づき、小走りで駆け寄ってくる。
それに合わせて私も小走りで駆け寄り、冒頭に至る。
「敦美姉さん、こんにちは」
「Aくらいだよ?そんな風に私の事呼ぶの」
困ったように笑う敦美姉さん。その顔、きゃわです。
業界入りは姉さんが先なので先輩だ。
敦美姉さんは私の事を(割と本気で)妹のように思っているらしい。
ブラコン気質なのもあるのだろう、一緒になるとお菓子をくれる。
幼稚園児と間違われとるんか?
「久しぶりですね!お元気でしたか?」
「うん、すこぶる元気だよ。Aは相変わらずだね。はいこれ」
「姉さん、ありがとうございます。でも私もうアラサーですよ?」
「私にとってはまだまだ可愛い妹なの!こんなに立派になって…!」
「初共演2年前ですけど???」
「2年もすりゃ人も変わるよ!ホント綺麗になっちゃって〜!大人の女って感じ」
なになに恋でもしてるの?、なんて興奮気味に聞いてくる姉さんに少し引いた。泣かれた。
「仕事が忙しいし、そんなのする暇ないですよ。今は仕事が恋人です」
「まーた……。はぁ、鈍いんだかなんなんだか…」
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作者名:アマネム | 作成日時:2023年9月11日 19時