東京校1年 ページ18
ある晴れた昼下がり
「先生！！！伏黒がヒロインよろしくひん剥かれたと聞いて！！！」
「Aちゃん？デリカシーって知ってる？」
「おーい伏黒、生きてっか？」
「なんなんだよお前ら。何しに来たんだよ」
「見舞いに来てやったんでしょ。伏黒が寂しくないように」
ね〜！と伏黒以外の一年が顔を合わせる。そして彼を囲むように立ち
「皆で今回は伏黒ヤバいんじゃねって話してたんだよ」
「この一週間くらい音沙汰無しだし…俺マジで心配したかんな〜！」
「う"っ…虎杖重てぇ…」
「まあ生きてるなら良かったわ」
「先生に聞いてもなぁんも教えてくんないんだもん」
「教えたら助けに行くでしょ皆。それじゃあ恵の為にならないもん」
「あたり前田のクラッカー」
「だはっ！Aそれ古ィよ！！」
「ほらほら伏黒も笑え〜」
「やめなさいよA。ジジくさいから」
「あンだと〜？」
「お前ら俺が病人だって分かってんのか」
と言いつつも伏黒はこの空気感がたまらなく安心できた。あの集落での任務中、何回死にそうになったことか。何度、友の顔が頭をよぎったことか。
「ほらほら皆、恵の事心配なのは分かるけどそろそろ授業はじめるよー」
「えー！先生マジで言ってんの？！」
「バカ目隠し！伏黒はひとりじゃ寝れないのよ！」
「そーだそーだ！伏黒は寂しんぼなんだぞ！」
虎杖と釘崎が抗議の声をあげる。
「エッ？！そうなの恵！！」
「ンなわけねぇだろ早く行け」
「よちよち恵ちゃんあんまり怒ると治るもんの治らんくなるから」
「ガキ扱いすんな」
Aは抵抗できない伏黒の頭を撫でる。
伏黒はAの全てを享受しているのですんなり受け入れる。口は悪いけどね。
そのまま膨大な眠気が伏黒を襲い、彼はすやすやと眠りについた。
「いい夢見ろよ」
「柳沢慎○かよ」
「ぼくもAちゃんに頭よちよちしてもらいたいなあ？」
「気持ち悪い事言ってないで早く行くぞ」
「今日って夏油先生の授業あったっけ？」
「午後イチじゃなかった？」
「うわ、昼軽くしなきゃ」
「──────え？僕担任だよね？なんでこんな当たり強いの？僕の生徒たちがちゅめたい……」
「Zzz…」
痺れを切らした玉犬がAたちを呼びに来るまで五条は窓の外を眺め一人泣いた。
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作者名：アマネム | 作成日時：2023年8月4日 0時
