出会った頃の話をしようか____ ページ6
その日はいつもより肌寒い日だった
いつの間にか、夏が終わり衣替えのこの季節
いつもは家で曲を作って、曲を作って曲を作って
家の中でインスピレーションをわかせる日々だ
だけど今日はいつもと違って外に出たくなった
パーカーを深くかぶって誰かにあっても俺と分からないように下を向いて歩いた
気づけば足は学院に向かっていて
何となく足を止めてよく知る公園に向かって足を方向転換した
公園に行くまでに色んなものを見た。
笑う人、焦る人、喧嘩をする人、
いい匂いの金木犀に野原一面のススキ
それを見ると
あぁ、俺がこうしてる間にも時は流れていくんだな、と感じた
それと同時に色んな事を思った
セナやリッツの事を
Knightsの事を
まだ全然喋れてない、話しか聞いてない、新人の事を
迷惑ばっかかけてだらしない
本当に俺は裸の王様__
そう思うと自分がこんな幸せな中を歩いていいのか
生きていいのか
足元が歪んでいくのを感じた
どんどん沈んでいくのを感じた
それが怖くなって
足早に公園に行き、ベンチに座り込んだのを今でも覚えている
でも、歪みや沈みは変わらず
次はベンチごと沈んでいく気がした。
でも、もういいや
もう滅びた裸の王様だ
このまま地獄にでもなんでも落ちるのが当たり前の結末だ
その時、最後になるインスピレーションが湧いた
思わず口ずさんで
コレもコレで俺の鎮魂曲で丁度いい
そう思った
頭の中で紡がれる曲を口ずさみ
俺は歌に生き歌によって死んでいこう___
「ねぇ」
「!?」
最後まであと少しと言う所で聞こえた声
「そこはラじゃなくてファの方がいんじゃない?」
振り向くとそこには君がいた
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つくP(プロフ) - 間違えてました!間違いの指摘ありがとうございます! (2017年9月9日 8時) (レス) id: 94aa247ae6 (このIDを非表示/違反報告)
Knightsを護る騎士でいたかった - 夢ノ咲は学園じゃなくて学院ですよ〜! (2017年9月8日 23時) (レス) id: 7e00625b4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つくP | 作成日時:2017年9月8日 11時