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･JM
隣で寝息を立てているテヒョンイ。
仮眠室、ここはとても寝心地がいい。
Aさんの家の布団もここもとってもふかふか。
なのに物足りないのはなんでだろう。
ここに、Aさんがいないからかな。
昨日夜は、ここにいた。
テヒョンイと僕の間にいたんだ。
今はいない。
いい匂いしない。
Aさんはとってもいい匂いがする。
ずっと嗅いでいたくなる。
JM｢……トイレ、｣
テヒョンイの枕元にある地図を広げる。
仮眠室は暗いから廊下に出ないと分からない。
テヒョンイを起こさないように慎重に扉を開けた。
地図を見ながら広くて長い廊下を歩く。
僕らは地図を読むのが得意だ。
施設にいた頃、どこを示しているのかも分からないボロボロの地図を読むのが楽しみのひとつだったから。
いつか施設周辺の地図を持って施設を抜け出そうって企んでた。
見つけたのはたしか、施設長の部屋だった。
入ったら怒られるし殴られるけど、なにかあるかもしれないって思って忍び込んだ。
あの時のことを思い出すと、今でも震えそうになる。
地獄みたいな場所から抜け出すために必死だったんだ。
あ、ここだ、トイレ。
良かった、誰もいないや。
綺麗だなぁここのトイレ、
ゴン、と大きな音がした。
JM｢……っ？｣
え、なに、後ろの個室から、音がした、よね……？
何かがぶつかる音だった。
誰かいるのかな、どうしよ、
いや、どうもしないか…僕はただここでおしっこするだけだし……
｢っぁ、｣
……？
声が聞こえた。
誰だろう。
｢じ、んひょ、ん…ッ｣
え、いまの、こえ……
Aさん？
ジンヒョン、って、言った？
どうして？
僕はこの時すでに尿意など忘れていた。
ただ、なんとなく、気になって……
音のする個室に耳を当てる。
｢〜〜っ、は｣
苦しそうな、声。
Aさんが、苦しそうな声を出してる。
助けないと、
僕が、
助けないと、
ガチャり、と扉の鍵を開ける音がした。
僕は何故か、逃げなきゃいけないと思った。
出ていく時はテヒョンイを起こさないように気をつけていたけど、そんなこと考えていられなかった。
勢いよく仮眠室の扉を開けて閉めた。
TH｢ジミナ…？どうか、したの…？｣
テヒョンイが起きてしまった。
僕はゆっくり体を起こして目を擦るテヒョンイを見ながら首を横に振った。
JM｢なんにも、ない、｣
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亜李須(プロフ) - 最高すぎます！面白いです！ (2021年3月4日 1時) (
レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
そらた(プロフ) - 見たことない作者名でしたが読み始めてまるで宝石の原石を見つけたかと思いました…応援してます…！ (2021年3月3日 23時) (レス) id: e9a6285ecd (このIDを非表示/違反報告)
ﾆｰﾄﾙｽﾞ｡ - すっごい面白いです！頑張ってください！ (2021年3月3日 21時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)
無属性(プロフ) - 好きです！応援します！ファイトです！ (2021年3月3日 1時) (レス) id: ff5b7840d3 (このIDを非表示/違反報告)
きよ - おおおおおおおおおおおおおおおおおおおもしろいです！更新ファイトです！ (2021年3月3日 1時) (レス) id: dec5fc1270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アザラシ | 作成日時：2021年3月2日 21時
