仮眠室 ページ48
・A
「ふぅ……」
控え室にある時計の針は9時を指していた。
ジミナとテヒョンイはもう眠りについただろうか。
まあここにいないってことは、仮眠室にいるってことだろうけど……
HS「ジミナとテヒョンイなら、1時間くらい前に仮眠室に向かっていったよ。」
「ホソギヒョン。」
HS「皆、2人の可愛らしさにメロメロだった。初日だけどたくさん人と話して疲れたんだろうね。地図を持って仮眠室に向かっていったよ。」
「そう、ですか……!」
よかった。
ちゃんと話せていたんだ。
オーナーのおかげで、抱えていたたくさんの現実的な問題が解決した。
ナムジュニヒョンにもお礼を言いたいけど、オーナーは、俺が言っておくから連絡するなって言われた。
忙しいからって。
一言だけでもお礼が言いたかったけど、オーナーに従うことにする。
僕は力がない。
今までたくさんの人に助けてもらった。
力がないくせに、二人を養うと急に言った僕を咎めるわけでもなく、ただ許してくれたオーナー…
いや、ユンギヒョンにはとても感謝している。
それにここの従業員である仲間たちにも。
僕が2人を養っているという話を聞いて驚きはしたものの結局は受け入れてくれた。
ここのいる人たちは、なんていうか…肝が据わっているから、意外と早く受け入れてくれたのかもしれない。
ジンヒョンは、突拍子もないことをしようとしている僕を止めてくれた。
僕と意見が対立したけれど、全て僕のことを考えてくれた結果だった。
いつも僕のこと一番に考えてくれてる。
ホソギヒョンは、静かに見守ってくれている感じだ。
ジンヒョンと言い合ったあの日だって、きっとどこか見計らったタイミングであの場に現れたんだろう。
そういうとこあるからな、ホソギヒョンは。
改めてみんなに感謝しないと。
僕はほんとに恵まれているなぁ。
何度も、ことある毎に再確認する。
僕は今、幸せだ。
それで十分なんだ。
YG『"A、7番"』
行かなきゃ。
HS「いってらっしゃーい。」
「いってきます。」
濃い3日間だった。
だけれどこれから、もっともっと濃い日々になるだろう。
そんな予感がする。
煌びやかなフロアに足を踏み入れる。
僕にはいつまで経っても眩しいこの世界。
香水や酒の臭いが混じるこの空間で、生きていく。
そう決めたあの日から、後悔はひとつもない。
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亜李須(プロフ) - 最高すぎます!面白いです! (2021年3月4日 1時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
そらた(プロフ) - 見たことない作者名でしたが読み始めてまるで宝石の原石を見つけたかと思いました…応援してます…! (2021年3月3日 23時) (レス) id: e9a6285ecd (このIDを非表示/違反報告)
ニートルズ。 - すっごい面白いです!頑張ってください! (2021年3月3日 21時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)
無属性(プロフ) - 好きです!応援します!ファイトです! (2021年3月3日 1時) (レス) id: ff5b7840d3 (このIDを非表示/違反報告)
きよ - おおおおおおおおおおおおおおおおおおおもしろいです!更新ファイトです! (2021年3月3日 1時) (レス) id: dec5fc1270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アザラシ | 作成日時:2021年3月2日 21時