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ページ36

・TH



好奇心で、つい、お茶を口にしてしまった。

当たり前だけどすっごく熱くて、ビックリして、舌がヒリヒリする……!


Aさんが怒った。

なにしてんの、って。

叩かれる?

俺も、ジミナも……?


「べ、ってして。」


舌を……ちょんぎられるのかな……。


「もっと出して。」


根こそぎ、持ってかれるのかな……!!

ぎゅっと目を瞑る。

痛いのは、嫌だ……


TH「……っ、」


ひんやりとした感覚が舌の上に乗る。

なにこれ、冷たい。


「口の中でもごもごさせて。」

TH「……?」


氷?

冷たい……ひんやり、冷たい……


「もう……驚かさないでよ……」

TH「……」

JM「……」


ペタン、と座り込むAさん。


「2人に傷をつけたくないんだ、これ以上……だから、危ないことしないで……」


今にも泣きそうな顔で俺たちを見る。

罪悪感と後悔と、大切に思ってくれてるんだっていう嬉しさとか、色々な感情が心の中をうごめく。

舌をヤケドしただけなのに、涙が出てくる。

ヤケドしてないジミナまでわんわん泣いた。

俺はこの日、初めてAさんの前で泣いた。

止まらない涙。

目の前の悲しげなAさんの顔を見る度に涙がこぼれ落ちる。


ぎゅっと抱きしめられてあたたかい。

いい匂いだ、ほんとに、すきだ……


「言うこと全部聞いてって言わない。わがままも言っていいから、危ないことしないでね。」

TH「はい……」

JM「はい……」


泣き止んだ頃にはもうとっくに夜の12時を超えていた。


「夜だよ……でもお腹すいてるよね。雑炊でも食べよう、」


Aさんはゆっくり立ち上がってまたキッチンに向かう。

ジミナはそろり、とコップをもって唇をお茶に触れさせた。


JM「テヒョンイ、もうぬるくなってるよ。」

TH「……」


ほんとだ、飲める。


俺たちはごくごくと飲み干した。

お風呂から上がって、喉が渇いてた。


「よし、できた、」


そんな声が聞こえて、キッチンからAさんが出てくる。

雑炊を入れたお鍋からは湯気が立っていた。


「今度は気をつけてよ?」

TH「はい、」


ん、と言って笑う。

この笑顔を、ずっと見てたい。


「ふーってして。」

TH「ふー、ふー、」


俺のことを思ってくれてる。

心の底から、大切にしてくれてる。

出会ったばかりの俺たちに、なんでって思うけど、今はその疑問に蓋をする。


TH「おいしい……」


よかった、って笑うAさんを見ていたいだけだから。

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亜李須(プロフ) - 最高すぎます!面白いです! (2021年3月4日 1時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
そらた(プロフ) - 見たことない作者名でしたが読み始めてまるで宝石の原石を見つけたかと思いました…応援してます…! (2021年3月3日 23時) (レス) id: e9a6285ecd (このIDを非表示/違反報告)
ニートルズ。 - すっごい面白いです!頑張ってください! (2021年3月3日 21時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)
無属性(プロフ) - 好きです!応援します!ファイトです! (2021年3月3日 1時) (レス) id: ff5b7840d3 (このIDを非表示/違反報告)
きよ - おおおおおおおおおおおおおおおおおおおもしろいです!更新ファイトです! (2021年3月3日 1時) (レス) id: dec5fc1270 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アザラシ | 作成日時:2021年3月2日 21時

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