仕事の時間 ページ2
・JN
JN「おにぎりを盗まれた!?」
そう叫ばずにはいられなかった。
だって、可愛い後輩の食料を奪われたって話聞いたんだよ。
大きな声でちゃうよね?
「あ、あんまり大きな声で言わないでください……!」
後輩……イ・Aは慌てて両手で俺の口元を塞ぐ。
JN「人いないよ。」
「だ、だけど、」
チラチラとここから少し見える事務室の様子を伺うA。
ここは更衣室で、あっちがオーナーのいる事務室。
薄暗いし誰もいないと思うんだけど。
俺はAの手を掴んで離させる。
そして事務室に繋がる扉を閉めながら言った。
JN「早く着替えなよ。さっきからチクビ丸見え。」
「……っ!!」
バッと、開いていた胸元のボタンを閉め始める。
顔も耳も真っ赤だ。
これだからほんと、Aをいじるのとか可愛がるのとか辞められないんだよねぇ。
「と、とにかくっジンヒョン、このこと誰にも言わないでくださいね、」
JN「あー、分かったよ。だけれどその手の擦り傷どうすんの。」
「包帯でも巻いて、」
JN「お客さんが心配しちゃうでしょ。」
ぐうの音の出なさそうな顔してる。
Aが今朝、コンビニ帰りにおにぎりを奪われた話をするきっかけになったのは、俺がAの手の擦り傷を発見したことだ。
どうしたの、その傷。
転けました。
なんで転けたの?
追いかけようとして。
なにを?
あ……人を、?
みたいな話の流れで結局全部言ったA。
「おにぎり盗まれたなんて、恥ずかしくて他の人に言えません……!」
また顔を真っ赤にして言う。
俺としてはおにぎり盗まれただけで良かったって感じ。
擦り傷は負ったけど、もし大怪我してたら俺の心臓が止まるよ?
?「包帯でも巻いておけ。」
「……!?」
「……!!」
後ろから声をかけられてビクッと肩が跳ねる。
振り向くと事務室の扉が開いていて、その扉にもたれ掛かるこの店のオーナー……ミンユンギがいた。
YG「包帯巻いて話のネタにでもしておけよ。僕の大事なおにぎり盗まれてコケちゃいましたーって。」
フッ、とバカにしたように笑いながらAに迫っていくユンギ。
あ、ユンギは僕より年下だから呼び捨てね。
ていうか話聞いてたのか。
扉の向こうの死角に潜んでたってこと?
こわ。
「オ、オーナー、ひどい……」
あーあ、Aちゃん悲しい顔しちゃっただろ。
YG「最近この近くで泥棒猫2匹が悪さをしてるって噂は聞いてるか。」
泥棒猫……2匹?
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亜李須(プロフ) - 最高すぎます!面白いです! (2021年3月4日 1時) (レス) id: 99d7320faf (このIDを非表示/違反報告)
そらた(プロフ) - 見たことない作者名でしたが読み始めてまるで宝石の原石を見つけたかと思いました…応援してます…! (2021年3月3日 23時) (レス) id: e9a6285ecd (このIDを非表示/違反報告)
ニートルズ。 - すっごい面白いです!頑張ってください! (2021年3月3日 21時) (レス) id: 8f39bffcdf (このIDを非表示/違反報告)
無属性(プロフ) - 好きです!応援します!ファイトです! (2021年3月3日 1時) (レス) id: ff5b7840d3 (このIDを非表示/違反報告)
きよ - おおおおおおおおおおおおおおおおおおおもしろいです!更新ファイトです! (2021年3月3日 1時) (レス) id: dec5fc1270 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アザラシ | 作成日時:2021年3月2日 21時