補欠であれば ページ47
-ユウside-
学「これで後2人いれば大会に出られますね!」
ユウ「いえ、学園長……後3人にしといた方がいいかも知れません」
エース「あ〜、ヨハンナは出られるかわかんないもんな……」
グリム「オイ、全然足りてねーじゃねーか!せっかく他の寮のヤツも入ってくれたのに〜〜!なんでオレ様たちの寮は3人しかいねぇんだゾ〜!」
ユウ「あ、寮にいると言えば……」
グリム「……あっ!そうか!寮生って寮に住んでるヤツのことなんだゾ?」
エース「え?まぁそうだけど……」
グリム「ならオレ様たち以外にもいるんだゾ!」
ユウ「90年前の選手たちが!」
-保健室-現在-
『それで押し切っちゃったんですか!?』
ゴーストA「ユウちゃんもなかなかやるよね〜グリ坊に負けず劣らずというかねー」
あっはっはと呑気に笑うゴーストさんに思わず頭を抱えた。
《友達が変な方向にたくましくなってる……》
ゴーストA「それで、無理にとは言わないんだけど、一緒に大会に出てほしいんだ」
『僕も?』
ゴーストさんはとても言いにくそうに私にそう提案した。
それもそうだ、だって今私の右腕には痛々しく包帯が巻かれている状態なのだから。
ゴーストA「その状態のヨハンナちゃんにこれを言うのは気が引けるんだけど、ユウちゃんとグリ坊がね、ヨハンナちゃんもオンボロ寮の仲間だから一緒に出たいって言ってるんだよ」
『ユウたちが……』
"オンボロ寮の仲間"そんな何気ない言葉でさえ、私は嬉しくて思わず破顔してしまう。
でも、右腕のガラス片を取り除いたばかりの自分に何ができるのか、そんな状態の腕を無理に使ったら動かなくなってしまうのではないかとそんなネガティブな考えが首をもたげてくる。
《もし、途中で右腕に何かあったとしたらみんなに迷惑をかけることになるよな……》
そう思い、ユウやグリムには申し訳ないけど断ろうと顔をあげた瞬間にドクトルが口を開いた。
保「構わねえぞ?」
「『え?』」
保「補欠要員で、試合に出ずっぱりじゃなけりゃ構わねえぞ?」
『……本当に……いいんですか?』
私が半信半疑でドクトルに問いかけたら、ドクトルは手をヒラヒラとさせて答えた。
保「お前、出たいって顔しといていいも悪いもあるかよww大体、若ぇんだから大人に遠慮すんな!10代は1度きりなんだぞ?今のうちに楽しんどけ!」
ガハハ!と豪快に笑ってみせたドクトルに感謝の言葉を残し、私はゴーストさんと共にマジフト大会会場へと向かった。
学校行事のレベルじゃない気が→←特別参加枠という名の大人の事情
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作者名:いもけんぴ星人 | 作成日時:2021年4月12日 20時