調査対象が違うだけ ページ12
-大食堂-
ケイト「えーっと、ジャミルくんは色黒で長い黒髪をした……お、いたいた!」
ケイト先輩が見つけたと同時に、足元から黒い物が指さした方向に飛んで行った、グリムだ。
グリム「よぉ、オマエ昨日調理室で怪我したヤツだろ?ちょっと話聞かせてくれよ」
案の定、止める間もなく相手にとんでもなく失礼な言葉で質問らしきものを投げかけたグリムに私とユウは頭を抱えてしまう。
ジャミル「はぁ?急になんなんだ、あんたら」
カリム「あ〜っ!この狸、入学式でオレの尻燃やしたヤツ!」
《そんな事もあったな……》
リドル「グリム、キミは少し口の利き方に気をつけた方がいい。すまないね、朝食中に」
リドル先輩が2人に謝っている間に、グリムを回収する。
カリム「ハーツラビュル寮の寮長と、入学式で暴れた狸。あっはっは!なんか面白い取り合わせだな」
グリム「オレ様は狸じゃねえ!グリム様だ!んでコイツらは子分なんだゾ」
ユリア{コイツ"ら"って事は、主様も含めてますね!?なんて偉そうな魔物でしょう!主様は寮長で、魔物は寮生でしょうが!}
『
カリム「へぇー、そうか!オレはスカラビア寮寮長のカリム。こっちは副寮長のジャミルだ。よろしくな」
グリム「お、おう。なんか調子狂.うヤツなんだゾ」
ジャミル「……で?何故俺が怪我した話を聞きに?」
ユウ「あ、えっと……学園長の依頼で……」
ユウがどうしようと言いたげに、私の方を見た。
『調理室の安全調査をしておりまして、怪我をしたとの事でしたのでその時の事を差し支えなければ教えていただけますか?』
バイパー先輩が疑念に満ちた目で私を見ているけど、私は目を逸らさずまっすぐ相手を見返す。
調査をしている事は本当だ、ただ調査対象が調理室ではないと言うだけ、嘘はほとんど着いていない。
ジャミル「学園長が?……ふーん、まあ構わないけどな」
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作者名:いもけんぴ星人 | 作成日時:2021年4月12日 20時