86話 ページ45
貴女｢大丈夫ですよ、秋ちゃん。私は怒っていませんから｣
秋｢本当……？｣
貴女｢えぇ(ﾆｺｯ｣
先程とは打って変わって穏やかな笑みに、木野は安堵のため息を漏らす。そこへ、とある女子生徒がやって来た
?｢あのー、ここで一緒に見ててもいいですか……？｣
その声に振り向くと……そこにはまるで、取材記者のようにしてメモ帳とペンを持ち、赤い眼鏡を、青みがかかった髪にかけた可愛らしい少女がいた
貴女｢(リボンの色からして、1年生ね)いいですよ。どうぞ｣
ベンチの土を払い除けるように、数回手でサッサと叩はたいてから、Aはポンポンと隣を叩く
?｢あ、ありがとうございます！｣
それを見た少女は、嬉しそうな顔をしてAの隣に座った
貴女｢(ん？鬼道有人の様子が少しおかしいわね。気付いているのは私のみ……しきりにこっちを見て何を……もしかして見ているのは、この子……？)あなた、お名前は？｣
音無｢私、新聞部の音無春奈です！｣
貴女｢(音無春奈、か……念の為調べておこう)｣
秋｢取材なら大歓迎よ｣
音無｢ありがとうございます。それにしても、やっと11人揃ったんですね。よかった……｣
貴女｢そうですね、本当に……｣
音無｢実は私、新聞部でサッカー部が帝国学園と試合をするって聞いて一度円堂先輩に取材をしたんです。そしたらその時に｢部員募集の宣伝をしてくれないか｣って言われちゃいまして……あまりにも面白くてサッカー部に益々興味が湧いちゃったんです！｣
貴女｢ふふっ、円堂くんらしいですね｣
秋｢そうね｣
音無｢あ、言うの遅くなっちゃいましたけど、江戸川A先輩！そのお姿とってもカッコよくてお似合いですよ！｣
貴女｢ん？どうして私の名前を？｣
音無｢江戸川先輩は転校初日から絶世の美少女転校生として話題になってましたから！今や学校中の注目の的で、ファンクラブも設立！因みに私、会員番号5番です！1桁取るの苦労したんですよね……｣
貴女｢(何それ知らない……というか)絶世の美少女なんて、過大評価過ぎますよ……｣
秋｢そんなことないわよ(Aちゃんって、自己評価ひくいのね……)｣
音無｢あ、それで｣
秋｢それで？｣
音無｢勝つ自信ありますか？｣
秋｢勝つ自信……？あるかないかって言われたら……ない｣
貴女｢ですね(私がいるから後半どうなるか分からないけど、ね)｣
音無｢や、やっぱり(汗)｣
秋｢でも｣
音無｢？｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミニgirl | 作成日時：2021年10月15日 19時
