85話 ページ44
円堂｢そんなのカッコ悪いだろ！｣
壁山｢キャプテン……すみません……俺、やるだけやってみるッス！｣
無事にロッカーから脱出した壁山を連れて、グラウンドへ戻った一行だったのだが……
貴女｢ニコニコ｣
現在、ベンチにてAは超ご機嫌な顔をしていた。尚、目は笑っていない。原因は今こうしてベンチにいる事が関係している
事の始まりは、壁山と入れ違うようにして助っ人としてやって来た目金欠流の条件にある。エースナンバーである10番しか着たくないという彼に、彼が運動音痴である事を知る面々は、渋々ながらもそれを了承した
が、問題はその後の目金の一言
目金｢このような試合、貴女のような女子の出る幕ではありませんよ。江戸川さんは控えとしてベンチで見物してて下さい｣
貴女｢…………そうですか｣
この時既に、目金はAの地雷を踏んでしまっていた。ただでさえ、帝国学園の選手達に自分を含む女性達を貶されたおかげでイライラしていたところだ。その後に、また女子である事が原因でそんな事を言われるとは夢にも思っていなかったのだろう。大人気ないとは思いつつも、ストレスには勝てず。なんとか微笑みを作るも、殺気をモロに出してしまっていた。表情は笑っているものの、目は笑っておらず、更に百獣の王ライオンですら黙りそうな一般人では出せない殺気
そんなものを至近距離で受け止めてしまった雷門イレブンはもちろん、しきりにこちらの様子を伺っていた帝国イレブンも思わずこの世の終わりを覚悟した
貴女｢当日にひょっこり出てきたと思えばそんなことを口走るなんて……いい度胸ですね。目金さん、でしたっけ。こんな土壇場で出てきたからには言葉通りの働きを見せてもらいますよ(ﾆｯｺﾘ｣
目金｢も、もちろんですとも！｣
ライオンですら卒倒しそうな殺気を出すAを目の前にして、目金は震えながらも踏ん張り耐えてみせた。後にこの話を聞いた降谷は彼をこう評す。｢それ程の殺気を前にして、威勢を張れた事だけは賞賛に値する｣と
……というわけで、今回Aはベンチにて控えを取っていた。先程の殺気に当てられた為か、女だとバカにしていた帝国の面々はからかおうとするどころか顔を合わせようともしない。もちろんそれは雷門の面々も同じで……｢俺、あの状態の江戸川に話しかける勇気ないわ｣、｢俺も｣などと会話する程
秋｢お、落ち着いてAちゃん！きっと後半は出られるよ！｣
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作者名：ミニgirl | 作成日時：2021年10月15日 19時
