55話 ページ14
倒れ込んだ円堂は上から覗き込んできた見知った顔に驚きながらも、Aの手を取ると、よいしょと立ち上がった
貴女｢江戸川Aです｣
円堂｢おお、そうだ！江戸川だ！｣
貴女｢(ふふっ、きっと豪炎寺くんのことしか頭になかったんだろうなぁ)｣
円堂｢で、なんでこんなとこいんだ？｣
貴女｢円堂くんにお話があって捜していたんです。それで通行人の方にお聞きしたところ、円堂くんらしき人が鉄塔広場に向かったとのことだったので｣
円堂｢俺に話？｣
貴女｢その話はまた後にするとして……その無茶苦茶な特訓は一体……｣
円堂｢これか？キーパーの特訓だ！｣
貴女｢キーパー……(血は争えないってことね……)｣
円堂｢ん？どうした？｣
貴女｢いえ、ただ……あなたは、人数が足りていないことや、グラウンドを借りることができないことを言い訳にすることなく、練習をしているんだなと思って｣
円堂｢へっ？俺は……？｣
貴女｢先程部室にお邪魔してきましたが、皆さんやる気すらなかったようなので｣
円堂｢……あぁ、まぁ……。でも仕方がないんだ。サッカー部は人数が少なくて、グラウンドも全然借りられないから中々やる気を出してくれなくて｣
貴女｢……大変、なんですね……｣
円堂｢あはは……でもさ、俺……信じてるんだ｣
貴女｢？｣
頭にクエスチョンマークを浮かべたAが円堂の方を見ると、円堂は稲妻町の方を見ていた。その目に宿る想いはどこまでもまっすぐで、一切の迷いがない
円堂｢アイツらだってサッカーが好きだからサッカー部にいるんだ。だから俺は……信じてる｣
貴女｢……やっぱり私の目は間違いではなかったようね……(ﾎﾞｿｯ｣
円堂｢ん？｣
貴女｢いえ、こちらの話です。それよりも円堂くん、先程の話ですが……｣
円堂｢そういや、なんか俺に話があったんだよな？｣
貴女｢……先程私、入部届を出してきたんです｣
円堂｢ん？どこの？｣
貴女｢サッカー部ですよ｣
円堂｢え……？本当か……！？｣
貴女｢はい(ﾆｺｯ｣
円堂｢サンキューな江戸川！うちは人が足りないからマネージャーでも大歓迎だぜ！｣
貴女｢あ、選手希望なんですけど｣
円堂｢そうなのか！？｣
貴女｢女子が選手希望って変でしょうか……？｣
円堂｢いんや！サッカーやりてぇって気持ちに男も女も子供も大人も関係ないだろ？｣
貴女｢ﾆｺｯ)そうですよね！｣
円堂｢お/////おう！｣
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作者名：ミニgirl | 作成日時：2021年10月15日 19時
