54話 ページ13
円堂｢お前とサッカーやりたいんだよ！俺たちが組んだら最強のチームができるぞ！｣
豪炎寺｢……もう俺に話しかけるな｣
無理矢理円堂の話をぶった斬った(というか、そもそも円堂が一方的に話していただけの気もするが)豪炎寺は、広場から飛び降り去ろうとする←
円堂｢じゃあなんで昨日！ボールを蹴った！｣
豪炎寺｢……！｣
貴女｢(昨日、ね……)｣
豪炎寺｢……しつこい｣
貴女｢(あ、行っちゃった)｣
小さく深呼吸をし、息を整えると、Aは誰にも気付かれないように細心の注意をはらいながら、木から木へと飛び移り、豪炎寺を追い越す
そして、今しがた鉄塔広場へやって来たような雰囲気で、向かいから歩いてきた豪炎寺に声をかける
貴女｢豪炎寺くん？｣
豪炎寺｢……江戸川か｣
貴女｢……なんだか元気がないように見えますが、何かあったんですか？｣
豪炎寺｢……別に、なんでもない｣
貴女｢……そうですか、それならいいんですが……。では、また明日学校で｣
豪炎寺｢あぁ……｣
貴女｢(……あの歳であそこまでポーカーフェイスができるなんて……あの子の場合、おそらく無意識なんだろうけど……あれは後々厄介になるかもしれないわね……)｣
Aはそんな事を考えながら、豪炎寺が向かった方とは逆方向……円堂がいる鉄塔広場へ向かって再び歩き出した
_______________
Aが広場に近付くと、何かがぶつかり合う音と人の声が聞こえてくる
貴女｢この声……まさか、円堂くん……？｣
不審に思いながらも広場に辿り着くと、そこには……木に吊るされたタイヤに何度も体当たりをする円堂の姿があった
円堂｢うぉおおおお！！｣
ﾄﾞｺﾞﾝｯ!!
円堂｢うおりゃぁ！！｣
ﾄﾞｺﾞﾝｯ!!
貴女｢……｣
目の前の異様な光景に、Aは開いた口が塞がらない状況に陥る。確かに陸上部がタイヤ引きずったりして特訓しているところは見た事がある。しかし、人間がタイヤを担ぎながら、木に吊るされているタイヤにぶつかっていく練習なんて普通はない
貴女｢(まさかこんな無茶な特訓をずっと一人で……？)｣
円堂｢うわぁぁっ！｣
奇妙な特訓方法に若干引きながらも、Aは、円堂がタイヤの勢いに負けて吹っ飛んだところを見計らい、手を差し伸べる
貴女｢……随分無茶な特訓をしているんですね。大丈夫ですか？｣
円堂｢はい、ありがとうござ……ってあれ？お前確か転校生の……｣
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作者名：ミニgirl | 作成日時：2021年10月15日 19時
