巡る季節に君はいない �� ページ5
「ほら、研磨行くぞ」
「…待ってよ、クロ」
もう空は夜空に変わり
光り輝く満月が姿を現した。
夜空と満月をバッグにしても咲く桜の木。
月夜桜だ。とても、綺麗だった。
何というか、神秘的。
「…………シエラ」
嗚呼、もう少しここに痛い。
ずっと痛い。ここに痛い。
Aと一緒に痛い。
でも、もう夜だからクロが帰れってさ。
まぁ、その前にクロが無料でご飯奢ってくれるらしいから行くけど。
「……あ、ねぇ、クロ」
「ん？なんだよ」
桜の木を一瞥してクロの背中を追いかけ
隣にへとつくとふと思った事を言ってみた。
ーーずっと掴んでいた白いタオルを見せて。
「…このタオル、クロに返すよ」
「……っは？知らないぞ俺そんなタオル…」
「…………え？」
予想外の言葉。
ずっとクロが掛けてくれたんだと思ってた。
だってこの公園の場所知ってるのはクロとおれ
……と、A。
他人が俺の為に掛けてくれた訳じゃないし…
おれだって記憶にない。こんなタオル。
歩きながら、そのタオルを広げると
そこに丁度桜の花弁が一枚ゆらゆらと揺れて落ちていくのが見えた。
折れても枯れてもない、ピンクの花弁。
「……桜」
タオルに乗った桜の花弁を摘んでみると
瞬間夜風が吹きおれの髪は靡く。
後ろにある桜の木の花は
また一斉に宙に舞っていた。
「………」
さよなら、
そう言おうとした言葉をぐっと飲み込んで
「また、桜が満開に咲く春に」
おれは頑張って笑って、最後に手を降った。
.
ーーーーまたね、愛してるよ。研磨
あの桜の木の下でAが笑ってこちらを見つめていたのは、きっと気のせいだろう。
この白いタオルから少しだけだけど
Aの匂いがしたのもきっと、
これも気のせい。
「愛してる、何時までも」
そしておれは笑って君の名前を呟く。
【巡る季節に君はいない】END
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あやの - 国見ちゃん泣けました…。ところで、国見ちゃんと夢主ちゃん結婚してるんですか？？ (2016年9月5日 22時) (
レス) id: 83f28b6f0a (このIDを非表示/違反報告)
夢乃 紀蘭(プロフ) - にろちゃんと国見ちゃんの見ました！！にろちゃんは途中で終わってたけど国見ちゃんのが泣けました！ (2016年9月5日 22時) (レス) id: 0e554962f9 (このIDを非表示/違反報告)
天雪(プロフ) - 泣けました！！国見ちゃんのすっごい悲しくなりましたしクロのもとても切ない気持ちになりました。これからも頑張って下さい (2016年8月29日 23時) (レス) id: cdecbe720a (このIDを非表示/違反報告)
きしりとーる(プロフ) - ◆.水無月.◇さん» あ、そうなんですか?楽しみにしてます(*^^*) (2016年8月15日 16時) (レス) id: c7f7072453 (このIDを非表示/違反報告)
◆.水無月.◇(プロフ) - きしりとーるさん» にロちゃんの話は今見たらいつの間にか最後は消えていて…また書きますのでどうかお待ちを！(●´ω｀●) (2016年8月15日 16時) (レス) id: c0b6bb33f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかど | 作者ホームページ：
作成日時：2016年8月5日 19時
