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「……は?」
御見舞に持ってきた色とりどりの花束が驚いた拍子にパサリと床へ落ちた。
病院の個室に、僕の声だけが響き渡る。
「……A?」
今日も病院の庭で一緒に桜を見ようと約束をし、そのいつもの時間通りに病院へと来た僕。
言われた一言に思わず間抜けな声が出てきた。
「……な、に言って…」
「本当だよ。…失敗したの。この前」
薄っすらと微笑む、白い病室のベッドに寝ているAはゆっくりと起き上がる。
…なん、だって?
この前した手術は、成功したって、言ってたじゃないか。
言葉には出していなかったのだけれど、きっと顔でわかったんだろう。Aはくすっと笑って、そんな僕の手を握った。
「……ぜーんぶ、うそ」
「……は?」
「一松には成功したって言ったけど、本当は……してなかった。私の病気、結構治せない難しいものだったんだってさ」
「……そして、私は今日死ぬと宣告された」
その言葉が嘘だと、信じたかった。
こんなにも現実から目を逸らしたいなんて
思ったことはないだろう。
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からー - 1回、まだ完結して無い時にも感想書いたんですけど……なっっっけるぅぅぅぅぅぅぅ!やばぁぁぁぁぁぁ!良い話すぎぃぃぃぃ!ミカドさん、これからも頑張ってくださいね! (2016年8月25日 21時) (レス) id: 81411e5d03 (このIDを非表示/違反報告)
*にこにーLove* - とってもいいお話でした。 これからも頑張って下さい!! (2016年8月23日 21時) (レス) id: 32e7316495 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲美羽(プロフ) - ミカドさん» はわわわ、ありがとうございます!お礼を言われるようなことなど、何も....調子に乗っちゃいますよ?ってことで友達申請します!← (2016年8月18日 20時) (レス) id: c3e60a3b0a (このIDを非表示/違反報告)
ミカド(プロフ) - 桜咲美羽さん» ところで美羽さん!いつも小説をも読んで下さりありがとうございました!いつもよく貴方様を見るのでとても支えになっています(●´ω`●)本当にいつもありがとうございました!!美羽さんの方も小説、無理せずに頑張ってください!応援しております!(#^^#) (2016年8月18日 20時) (レス) id: c0b6bb33f0 (このIDを非表示/違反報告)
ミカド(プロフ) - 桜咲美羽さん» 返信遅れてすみません!!そ……うですかね。やはり落ち込んでいたので美羽様の詞で元気を取り戻しました!ありがとうございます(#^^#)まだまだ未熟者で有名なんて程ではないと自分で自覚しているので、これからもそれを踏まえ頑張りたいと思います(*‘ω‘ *) (2016年8月18日 19時) (レス) id: c0b6bb33f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作者ホームページ:
作成日時:2016年8月16日 21時