その声で、君は何を思う？ ページ16
アナザーストーリー
｢君の狼ゲーム｣
新村コウ目線でプレイ EP.1
俺は、2階の廊下を歩いていた。
リツの帽子騒動が終わってから、Aはどこかに行ってしまった。
本当に、何を考えているんだ…？
｢この隙を狼に狙われたら、ひとたまりもないな…｣
Aが襲われてしまうのではないか、という不安に駆られながらも、俺はAを探していた。
ふと、植物室の前に来ると、中から話し声が聞こえてきた。
｢たに………、……なかった。
かん……、……のに。
なのに、……、………、『……』なんて…｣
泣きじゃくりながら何かを喋るその声は、明らかに米森サトルのものだった。
こっそり部屋を覗くと、そこには米森サトルと、米森サトルに寄り添うAの姿があった。
｢何を話しているんだ…？
何故、サトルさんは泣いているんだ？｣
俺は、静かに聞き耳を立てた。
｢俺は、生きたい。
…だから、他人を殺さなきゃならない。
……でも、でも。怖いんだ…！｣
なんと、話を聞くところによると、米森サトルは狼らしい。
だが、精神が弱いために、人を殺せないみたいだ。
(…情けないな)
俺は、そんなことを思った。
…いや、思った、と言うよりは、言い聞かせたのだ。
紛れもない、自分自身に。
本当のことを言うなら、俺だって、こんなゲームはやりたくない。
俺は、自分が狼になった時、人を殺せる自信がない。
だって、怖いものは怖いのだ。
俺がそんな情けないことを考えていると、Aが口を開いた。
｢…うん、辛かったね。
狼ってバレたら、自分が死んじゃう。
だから、誰にも言えなかったんだよね。｣
Aの声は、ざわめく心を落ち着かせる、優しい声音だった。
｢…自分の命が危ない時に、他人の事を考えるのは、難しい。
…だけど、人を殺したくないっていうサトルさんは、とても立派だと、私は思うよ。
…今まで、辛かったよね。
辛かったからこそ、人が苦しむ気持ちが分かる。
……そんなあなたは、今、ここにいる誰よりも、カッコイイと思うよ。｣
優しく語りかけるような、Aの声。
落ち着く、心地よい声色。
サトルさんも、いつの間にか涙を止めていた。
｢確かに、狼になった時に、誰かを殺さず自分が死ぬなんていう選択は、怖い。
…だけれど、今のサトルさんには、それが出来るよ、きっと。
…私はね、誰も殺したくないって思ったサトルさんは、とても強いと思うよ。
強いサトルさんなら、大丈夫。｣
Aの言葉は、俺の心に突き刺さった。
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天音 みほ(プロフ) - 霧雪@誤字王女さん» コメントありがとうございます！え？金平糖？ンー？？見間違いじゃないかなー？？？ま、そんなことはさておいて、僕って美しいよね(( (2019年1月27日 14時) (
レス) id: e7164eec7a (このIDを非表示/違反報告)
霧雪@誤字王女(プロフ) - んんん･･･？おかしいなぁ･･･見間違いかなぁ･･･金平糖さんが見えたような･･･(( (2019年1月26日 8時) (レス) id: dcec4ba55e (このIDを非表示/違反報告)
天音 みほ(プロフ) - みゅーとさん» コメントありがとうございます！泣いたんですか！？こんな主人公ふざけまくりのギャグ小説に！？ありがとうございます…！リッちゃんとチエはんはもう親友っすよ。本編読んでて、｢これどっちも生存してたら親友同士でしょ｣って思ったのを小説にした感じです。 (2019年1月12日 15時) (レス) id: e7164eec7a (このIDを非表示/違反報告)
みゅーと - ヤバイです…本編より泣きました…リツちゃんとチエちゃんの友情が…もう…！(言葉で表せない) (2019年1月11日 22時) (レス) id: 46f91ead37 (このIDを非表示/違反報告)
斬歌(プロフ) - ちょwwwそんな褒められ方されるの結構久々ですw (2019年1月3日 19時) (レス) id: 8dd68f39fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天音 みほ | 作成日時：2018年7月14日 14時
