【終わりのセラフ】優しき涙second

十三粒 ページ13

ミカちゃんは



優しいんだね



ミカ「Aちゃん！これから外でみんなで遊ぶんだ！一緒に遊ぼう！」



貴「ありがとう！



でも私




これだけ作っちゃいたいの




ごめんね」


青色のマフラーを編みながらミカちゃんの方を見る




ミカ「う、うん！


じゃあ、Aちゃんも用事終わったら





遊ぼうね！




待ってるよ！」


そう言い外へ走っていくミカちゃん





優ちゃんを見ているみたいだな



そう思いながら、院長先生から貰った真っ青な毛糸をマフラーのようにして編んでいく

これは、ミカちゃんにあげるマフラーだ




ミカちゃんの目を見ていたらいつの間にか作っていた



雪の降る中で、楽しそうに遊ぶ幼い子供の声が聞こえてくる



私も" 普通"だったら、あんな風に遊べたのかな？




時々思うこと




だけど、言わない


ここの生活は前と比べ物にならないくらいに




良い




温かい服を着させてもらえるし、ご飯だって食べさしてくれる



憧れていた生活だったけど、





まだ何か




私の中では




足りないんだ




" A！また明日こーえんで




あそぼーな！！"




あの男の子が




初めて出来たお友達が





足りないんだ





いつの間にこんなに私は贅沢になってしまったのだろう



こんなユトリのある温かい生活をしているからなのかな？




また、編み物の手を進めようと、自分の手を見ると、ロケットペンダントを握っていた






無意識だった


そこまで、家族に依存されていたのかと思う





《僕はいつでも君の見方になるよ



友達にでも家族にでもなってあげる》



真昼お姉ちゃんが私に呪わせた鬼の声がする






その子もまた私の家族であり





憎き相手だ









半分以上マフラーが、あみ上がり、私は





思い出す







子供の笑い声を聞きながら



産まれて、愛されて、絶望して、大切な人に会って、




家族に囲まれて





そんな思い出を繰り返す







そして




斉藤「ごめんね、Aちゃん




君は、柊真昼と、一瀬グレンは忘れなくちゃいけないんだ」







楽しかった時の記憶さえも






うばわれる

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