ヒプマイ短編集5

元軍人のお相手は ページ43

毒島メイソン理鶯




『理鶯さん！お誕生日おめでとうございます！！』



｢Aに祝われる小官は幸せ者だ。ありがとう。｣ﾆｺｯ



I submit to you that if a man hasn't discovered something that he will die for, he isn't fit to live.

そのために死ねる何かを見つけていない人間は、生きるのにふさわしくない



これは小官が軍に所属していた頃の上官から言われたものだ



小官は国のため。そのためだけに日々鍛錬してきた



｢…理鶯。お前には愛が欠けている｣



｢愛…？｣



｢そうだ。何かを守ろうとする気持ちは何よりも強いと覚えておけ｣



｢…Aye,aye,sir｣



国に対する愛とは別のものなのか。



任務だから遂行する。命は守る。



愛を教えてくれたのは貴殿だ



＿＿＿｢貴殿のおかげだ。｣



『…え？なんですかー！急に！』



｢いや、少し昔のことを思い出してしまった。｣



『軍に入っていた時のことですか？』



｢…あぁ。｣



『懐かしいですねー！』



理鶯さんが休暇でヨコハマに来ていた時、私が少し困っていたところを助けてくれたのが理鶯さんだった。



＿＿＿『脚立使っても届かない本棚って…』



｢なにかお困りなのだろうか？｣



『うわぁっ！びっくりした…』



音もなくそこに立っていた大柄の男性は普通の人とは少し雰囲気が違った



｢どの本だ？｣



『あ、えっと、1番上の段の右から2番目の、あ、それです！』



その人は脚立も使わずに本を取っていく



｢…この本は｣



『あ、軍人の方の本で…失礼ですけど、軍人さんですよね？』



＿＿＿＿｢そのようなこともあったな。｣



『あれから仲良くなったんですよね！』



｢…思えば一目惚れというものだったのかもしれない。｣



『へ。』




｢愛。というものを教えてくれたのは貴殿だ。｣



｢あの時、貴殿がいなければ。｣ﾎﾞｿｯ



小官はとっくに戦死していただろう



『理鶯さん。』



『生まれてきてくれて、私と出会ってくれて。ありがとうございます。』



ｷﾞｭｯ



『私も理鶯さんに沢山助けられてます！大好きです。理鶯さん』



｢…あぁ。小官は愛している。本当にありがとう｣



ﾁｭｯ



触れるだけのキスをして



｢…もう一回いいだろうか。｣



頭を撫でる。



『今日は誕生日ですからね！なんでも聞きますよ！』




『これからもよろしくお願いします！』










理鶯Happy Birthday!

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