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君はまた淡い夢を見る ページ9

Aside





隼颯「…A」



不意に後ろから名前を呼ばれる



振り向くと愛しい人がいる



『…隼颯なの?』



隼颯「あぁ。…会いたかった」



ニコリと微笑む彼。この笑顔が大好きだった。



『…私も、私も会いたかった。ずっと探してたんだよ?』



『なんで、急に居なくなったりしたの?』



少し彼が険しい顔して言う



隼颯「それは…」



ピピピピ…



『!?』ガバッ



『…ハァ…ハァ』



息を整え前髪をかきあげる



頬を触ると涙が一筋垂れていた



『…フー』



夢か。



ここの所変な夢ばかり見る。けれどこんなに具体的で感情まで感じる夢はそうそうない。



隼颯への思いは強くなる一方で。それと同じくらい私の病気は進行していく



思わず私は膝を抱えて泣いた



『…っどこにいるの?』





二郎side



姉ちゃんが歌ってから数日が経ち、俺はこの気持ちに名前をつけないまま過ごした。



…姉ちゃんとか本当は呼びたくない。ちゃんと名前で呼びたい。



「…どうしたらいいんだろうな。」



それでも勇気は出ない。"姉ちゃん"には好きな人いるんだから



…兄ちゃんが姉ちゃんを起こしてこいっていうので起こしに来た



ドアをノックしようと思った瞬間に声が聞こえる



『…っどこにいるの?』



ノックしようとした手を下ろして、ドアをそっと開ける



ガチャ



『…えっ、?二郎くん、やだごめんね?今下降りるから』



涙をふき何事もなかったかのように部屋から出ていこうとする姉ちゃん



俺はその手を迷わず掴む



「…まって。」



『っどうしたの?』



いつもの笑顔で笑う。きっと心はボロボロで苦しいはずなのに



そんな綺麗に笑うなよ。



ギュッ



「…俺じゃ、だめ?」



『え?』



この気持ちはまだ伝えなくていいから。



せめて今だけは抱きしめさせてください



「…我慢すんなよ。」



『…っ二郎、くん』



子供のように泣きはじめる姉ちゃん。



『…ほんとは、つら、くて。苦しくて』



「…うん。」



『…今まで一人で旅してきて、一郎くんや三郎くんや二郎くんに、あっ、て』



つっかかりながらも喋ってくれる



『こんなに楽しいの、久しぶり、で。』



「うん。」



そう言って泣き続ける姉ちゃんを俺は少しの間抱きしめ続けた。

自分の役目って。→←気づかなければ



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(プロフ) - シャルさん» ご指摘ありがとうございます!!訂正させていただきました。こちらこそ読んでいただいて嬉しい限りです!!ありがとうございます。 (2019年3月29日 0時) (レス) id: 6c48c3ca2f (このIDを非表示/違反報告)
シャル - 細かいかもしれないんですけど、あくまでが悪魔になっていました。間違ってたらごめんなさい! 今回も面白かったです!更新ありがとうございます! (2019年3月28日 23時) (レス) id: 0ad92d1aab (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - シャルさん» 暖かいコメントありがとうございます!!私の書きたいことが伝わっていたようで安心しました(泣)コメントを励みに頑張りたいと思います!ありがとうございます。 (2019年3月28日 0時) (レス) id: 6c48c3ca2f (このIDを非表示/違反報告)
シャル - とても感動しました!二郎の思いが複雑で私も胸が締め付けられました! 大好きです!更新楽しみにしています!頑張ってください (2019年3月27日 23時) (レス) id: 0ad92d1aab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年3月15日 21時

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