乙骨憂太は取り戻す。【ワールドトリガー】

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ボーダーに入隊した翌日、今まで休校だった学校が再開し始めた。
もちろん、今回の大侵攻で同級生や後輩、先生達の中にも亡くなった人達がいた為授業等はせず黙祷や慰霊碑に行く予定となっている。
里香ちゃんの他にも、仲の良かった友達が亡くなっていて喪失感が凄かった。





「…久しぶりだな、乙骨」


「あ、荒船君。久しぶり」


「ああ……その、祈本についてだが」


「！ 大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」





荒船君は中学入学時から仲良くしてもらってて、里香ちゃんと僕の仲を応援してくれていた人だ。
里香ちゃんに至っては黒トリガーになってしまったので故人扱いとなっている。





「そうか……そういえば乙骨、お前ボーダーになったって本当か？」


「え、荒船君なんで知って…」


「たまたまボーダーの公式サイトを見てたらお前の名前があったんだよ」


「へぇー…名前とか公開されてるんだ」





あれって一般に正隊員の名前が公開されるんだ……目立つのはあまり好きなほうじゃないから複雑な気持ちだけど。




「やっぱり、近界民に恨みがあってか？」


「…少し違うかな。確かに近界民に恨みはあるけど、ボーダーに入ったのは別の理由だよ」


「ふぅん………で、ボーダーってどんなかんじなんだ？」


「え！？ え、えーっと…そこら辺は企業秘密？ ってやつかな。本部の方から口止めされてるから、ごめんね」


「冗談だ。そのくらい分かる。でも、ボーダー…か」


「荒船君？」


「いや、なんでもない。応援してる」


「！ うん、ありがとう」





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