曰く、私の顔面は眩しくて直視出来ないらしい【HQ】

『＿27＿』 ページ27

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「朝雉ー！！」


「夜久くん？ どうして」


「はぁ、はぁ…何回連絡しても朝雉と電話繋がんなくて何か巻き込まれたんじゃないかって皆で心配してて」


「ああ…ごめんね、スマホの充電切れちゃって」


「そうか…本当に良かった。黒尾と研磨のご乱心っぷりときたらやばかったぜ。使い物にならなくて大変だった」


「わお」


どうやら二人は私が遂に誘拐に遭ったか、アポトキシン4869飲まされて幼児化されたかもしれないと練習どころじゃなくなっていたらしい。
宮城ってそんな某日本のヨハネスブルグじゃないと思うんだけど。
というか、二人がそんな二次元要素持ってきて焦るのは珍しいな。
ちょっと見てみたかったのは心の中に閉まっておこう。

それにしても、こうして夜久くんと二人きりで歩くのは初めてかもしれない。
移動教室は友達と行ったり、大体同い年の四人で帰ったり、住んでる地区が違うので途中で別れててつおや研磨と帰るのが当たり前だった。


「…なあ朝雉」


「なにかね夜久くん」


「あの…その」


「うん」


「俺も名前で呼んでもいいか…？」


「名前で？」


凄い真剣な顔で何か言われるかと思っていたらまさかの名前呼び。


「あっ、えっと、やましい気持ちとかは」


「勿論良いよ」


「やっぱりダメ……え、良いのか？」


「うん。私、名前で呼ばれるの好きだから」


元々イタリアにいた時は皆から捺子と呼ばれていたし、日本に来てからも苗字より名前で呼ばれることが多かった。
ただ中学に入ってから苗字呼びされるようになって朝雉と呼ばれることが多くなった。
だから名前を呼ばれることは別に不愉快でもなんでもないし…それに、夜久くんは友達でチームメイトだから名前で呼ばれるなら嬉しい。


「ならさっそくDiciamolo(言ってみよう)！」


「急な外国語はやめろよ。顔とギャップに死ぬ」


「死なないで夜久くん」



夜久くんは視線をキョロキョロと動かし覚悟を決めたように私と目を合わせる。


「…………捺子」


「なぁに衛輔くん」


「なっ」


「ふふ、衛輔くんの驚いた顔貰っちゃった」


「っ〜〜！ それは反則だろうがっ！」


「あだっ！ デコピンはやめて。耳赤くなってるよ」


「夕日のせいだ！」


「コナンくんかな？」



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