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♛_16. ページ16

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あの後、世一くんに合格だと伝えたら凄い喜ばれ、『青い監獄でもよろしくな』と眩しいほどの笑顔に私は殺られた。好きです。

そして今日は友人と首都の方に遊びに来ていた。
やっぱり東京は規模が違うな…この間遊びに来た時も迷子になりそうだったし。



「今日は何する?」


「ショッピングかなー。出来れば財布に優しい」


「あんたバイトしてないもんね」


「でも来週から始める予定」


「え、そうなの? どこの?」


「ないしょー」


「えー?」



なにそれー、と笑いながら友人と歩いているとドンッと誰かにぶつかってしまった。



「あ、すみませっ」


「…Ich hätte nie gedacht, dass ich dich an einem Ort wie diesem treffen würde.」


「ヒョッ」


聞き覚えのある声と英語ではない言語。
私は恐る恐る顔を上げると、そこには口角を上げ私を見下ろすミヒャエルさんがいた。


「Es ist eine Weile her.」


「み、ミヒャエルさん…」



私の目が可笑しいのか、彼の目にハートマークが浮かんでいるように見える。
というかなんで日本にいるんですか??


それに今回私はあのイヤホンを付けていないため何を言っているのか分からない。
するとミヒャエルさんは突然良すぎる顔を私に顔を近づけると頬にキスをした。
その瞬間、私は宇宙を背負った。



「???………!?、 !!!、???!!」


「ちょ、ちょっと雅…! あんたいつこんな超絶イケメンと…え、なに? 遂に潔から乗り換えたの?」


「違う!!」



私がずっと好きなのは世一くんだけだから!!
しかもこの人、頬にキスしやがった…!
家族にさえ、世一くんとしてからにしてって言ってるのに……ダメだ。燃え尽きて灰になりそう。


友人に至っては私達に『ごゆっくり〜、have a nice day!』と言って去りやがった。
な、なんでやつだ…! 今度わたしのオススメの激辛麻婆豆腐食べながら従弟が好きなシャイニングを拘束して観してやる。その場で一人、じっくりとね。


復讐を考えながらこの場に取り残された私とミヒャエルさん。
どうする。家族から『もしアイツに会ったらすぐに逃げろ』と言われている。

………逃げよう。



「……あの、えっと……私もこれで」


Ich werde dich nicht entkommen lassen(逃がすと思ってんのか)?」


「スンマセン」



何言ってるかわかんないけど今のは何となく分かり、反射的に謝ってしまった。
汝の道は既に途絶えたってこういう事か。




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みかん - 更新待ってる (1月2日 0時) (レス) id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
きむち - お話どタイプすぎます最高です。更新頑張ってください^_^ (2023年3月16日 12時) (レス) id: d0a8f1c067 (このIDを非表示/違反報告)
チビ黒帽子(プロフ) - Fate要素満載やしカイザーと世一がこれから漫画より殺伐とした関係になってくるのを期待してます! (2023年2月15日 12時) (レス) @page29 id: 3cca07a536 (このIDを非表示/違反報告)
クロネコ(プロフ) - 更新された瞬間読みました!!次が楽しみすぎます 🥲 (2023年2月12日 13時) (レス) @page28 id: f505b755ef (このIDを非表示/違反報告)
ミルクチョコ(プロフ) - あの髪上げてる世一君いいですよね!わたしはその時死んでましたww (2023年2月3日 12時) (レス) @page24 id: 90f93b6301 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Yuri | 作者ホームページ:https://twitter.com/Yuri_Asum  
作成日時:2023年1月14日 19時

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