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幸がとんでもない宣言を絵心にしてそろそろ一日が経とうとした所でアンリが幸専用の部屋に向かい、生存確認をしてみると、そこにはぶっ壊れた幸がいた。
「………ゲームより頭使った気がする。もうダメだー…自爆するしかねーー…」
「きゃぁぁぁ！！！ 幸ちゃんが壊れたァァァ！！」
幸は宣言通り資料を受け取った後、自身のプライドにかけて全力で選手達の情報を脳内に埋め込んだ。
ここ数年ゲームでしか発揮していなかった為、とんでもないカロリーが消費された。
因みに幸は限界の一歩手前まで来ると言動がぶっ壊れる。
「あ、アンリさん…あとは、たのみ、ま、し……た…」
「力尽きないで起きて幸ちゃん！！ マジビンタするわよ！！」
「というのは冗談で、選手のデータ全て記憶しました」
「切り替えの速さぁ……それに、本当に一日で覚えるだなんて…」
「正直今、脳に糖分がほしいです。私の体がブドウ糖を求めて…あ、体は糖分で出来ている…！」
「言い直さなくていいから…！」
アンリは慌てて幸の部屋に設置されているポットを使ってココアを作り、渡すと静かに飲み始める。
いつもは知的感溢れる幸がこんなに荒ぶったは見たのは初めてで焦ったが、落ち着いたことにより安堵した。
「ココアありがとうございますアンリさん。私の体は糖分で出来ていたっぽいです。アンリミテッドトウブンワークス」
「私ツッコまないからね？ あ、そうだ。今日から」
「選手が来るからこの部屋で大人しく見てろってことですね」
「ええ。貴方の存在は一応表では雑用係としてだけど、実際は極秘扱いのアナリスト。出来るだけ行動は控えるように」
「了解です。アンリさんも絵心さんの相手頑張ってください」
「うん…！！」
アンリは幸からの応援で元気になり、『幸ちゃんも頑張れ！』とエールを送って部屋を出た。
手を振りながらアンリを見送ると、くるっと椅子を前に戻し一つの資料を持ち上げた。
「糸師 凛、ね」
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作者名：Yuri
| 作者ホームページ：https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時：2023年1月10日 21時
