◆─18. ページ18
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私はバッと目を逸らした。
なんで、なんでここに冴くんが居るの。
彼、糸師冴とは小学一年生の頃からの幼馴染みだ。
勿論彼経由で二個下の糸師凛も当てはまる。
訪問するなんて…いや、だから絵心さんは黙ってたのか？
きっと彼は士道に会いに来たのだろう。それを知った絵心さんは私に作戦を考えてろと言った。
少なくともあの人は私と冴くんの関係を知っていた。
それよりもぶつかったことに対して謝らないと。
「ご、ごめ…っ」
「謝らなくていい。なんでお前がここにいるか聞いてるんだ」
「そ、れは」
私はチラッと彼の後ろにいたアンリさんを見た。
アンリさんに関してはきっと私と彼の関係について何も知らないから驚いてるのと、教えていいのか悩んでいる。
…いいや、どうせ三週間後にはバレるのだ。
それに、彼に隠し事は私には出来ない。
私は逸らした目を、もう一度彼に向けた。
「…青い監獄の専属アナリストとして勧誘されたの」
「お前が…？」
「うん。半年くらい前に」
「…前に俺が言ったことを忘れてんのか？『この国でお前の頭脳はゴミに埋もれてるも同然だ』。それは
「(あれは彼が…！)」
「…忘れてないよ。だから私はここにいるの」
「…！」
彼から拒絶された時から。
「今は敵同士だけど、久しぶりに会えて良かった。ぶつかって本当にごめんね」
「幸…、」
「アンリさんもお忙しい中すみません。それじゃ」
「あ、幸ちゃん…！」
私はぺこり、と頭を下げてこの場から逃げるように去った。
「……こんなところより、俺を選べよ。バカ幸」
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作者名：Yuri
| 作者ホームページ：https://twitter.com/Yuri_Asum
作成日時：2023年1月10日 21時
